出版社内容情報
エジプトの女性作家の短編集・力をもっていなくても力があるように示さなければならない男たちの力と無力を描き、女が抑圧されている社会では男も自由でないことを鮮やかに表現。
内容説明
エジプトのフェミニスト作家サーダウィによる短篇小説集。力がないのに自分の力を誇示しなければならない男たちの力と無力についての物語を軸に、女と男、階級の異なる男と男の関係を辛辣に力強く描いて話題となった注目の18編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
早春
0
題名は実は反語で、英題ではShe has no place in paradiseと明確に否定されている。20世紀エジプトを生きた作者は、保健省で勤める中でFGMを批判して解雇、投獄された過去を持っている人物。題名になっている短編は、父親、夫に従属的で反抗するすべを知らない女の話であるが、作品全体として女性を抑圧することは男性の無力を示すことと紙一重だということが暗示されている。現代を生きるわたしにとっては、天命に泣きつつ服従するよりも、抵抗が持つ力を過信してしまうが、それも一つの特権なのかもしれない。2025/08/31
-
- 和書
- インド・同時代




