出版社内容情報
雀部 幸隆[ササベ ユキタカ]
著・文・その他
内容説明
マックス・ウェーバーに政治学はあるのか、という素朴な批判に抗して著者は、その政治学がそれぞれの国の歴史的・地政学的諸条件にもとづく「公共善」の追求という観点から独自の政治学が存在し、それは西欧政治学の伝統に立脚するとともに現代政治学にも重要な視角を提供すると主張する。第二帝制期からワイマール期へかけてのドイツ政治に深くコミットしたウェーバーの現実的で柔軟な政治思想にあらためて光をあてた力作。
目次
序 ウェーバーに政治学はあるか
第1部 ウェーバーの政治論説をどう読むか(ウェーバーにおける政治の枢要な位置;W.J.モムゼンのウェーバー批判;ウェーバーのライヒ大統領制論にたいするモムゼンの批判とその問題性;ワイマール末期の大統領政府体制をどう見るか)
第2部 公共善追求の営為としての政治―ウェーバー的視点からの政治の原理的考察(政治の基礎概念;国家の概念;政治への基礎視点;法治国家的構成原理;民主制;議会と政府)
第3部 ウェーバーの政治ゲマインシャフト論―ウェーバー国家論の基底(ウェーバーの国家観;ウェーバーの国家成立論理解のための若干の前提;結社とアンシュタルト―「カテゴリー論文」の若干の基礎範疇について;ウェーバーの「政府ゲマインシャフト」形成論;ウェーバーの「諒解ゲマインシャフト論」の重要な射程;近代のアンシュタルト国家形成へのウェーバーおよび折原浩の展望)
著者等紹介
雀部幸隆[ササベユキタカ]
1936年大阪市に生まれる。1960年名古屋大学法学部政治学科卒業。1965年名古屋大学大学院法学研究科政治学専攻単位取得退学。法学博士(1978年、名古屋大学)。1965年名古屋大学法学部助手。1967年名古屋大学教養部専任講師(政治学担当)。1970年名古屋大学教養部助教授。1981年名古屋大学教養部教授。1993年名古屋大学情報文化学部および同大学院人間情報学研究科教授。1995年名古屋大学退職、椙山女学園大学人間関係学部教授。1999年名古屋大学名誉教授。2006年椙山女学園大学定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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