出版社内容情報
〔魔性の政治学〕世界的な政治学者・公法学者であり、ナチのイデオローグでもあったシュミットの主要著作を分析しつつ、その思想の射程と問題点を鋭く批判的に分析・論究する。
内容説明
世界的な政治学者・公法学者であり、ナチのイデオローグでもあったカール・シュミットの主要著作を分析しつつ、その思想の射程と問題点を鋭く批判的に分析し論究した、シュミット政治学解体の書。
目次
第1章 シュミット―全体国家論の思想構造
第2章 大統領の独裁とヴァイマル共和国の崩壊―憲法第48条第2項(緊急命令権・非常権限)をめぐる
第3章 「独裁」と「自由」―「委任独裁」と「主権独裁」
第4章 「神話」と「独裁」の政治理論―例外状態を前面に立てた「独裁」の正当化
第5章 政治の本質―保守主義の「敵・味方」論
補論(ホッブズとシュミット―政治思想における「イギリス」と「ドイツ」;全体主義)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masabi
15
カール・シュミットの理論がワイマール共和国を崩壊させる足掛かりとなった点は批判する一方で、理論の分析や道具は現在でも有効だとする。議会制民主主義と根底にある西欧思想に対する強力な批判と例外状態における独裁の分析がそれだ。議会が多様な利益集団の妥協の場に堕ちているとの批判は現代でも有効だと思える。カール・シュミットは理論の正しさは別にして現実の問題にいかに対処するかを研究した問題意識と現実の影響は評価されるべきだ。2016/04/30
たわし
1
ざっくり読んだ。 多元民主主義、うすのろで決められない民主主義への絶望が国家全体論を生み出した、っていうように読めたけど、どうなんだろ 算術的な権力、幾何学的権力、一般意志、のちがいがいまいちわかんないから読みなおさないと。