出版社内容情報
「神道的神と民俗的神―定住民と漂泊民の神空間」「新年の時間的二元性」「焼畑村落の民俗的変化」「芋くらべ祭」他。徹底した民俗誌作成を経て仮説提示に至る坪井民俗学の特質。
目次
神道的神と民俗的神―定住民と漂泊民の神空間(“神の規定”;異装の神の出現;神来訪の型―山から特定の家へ;神の世界へ入る人間―里から山へ;民間信仰研究のために)
新年の時間的2元性(肯定される時間と否定される時間の意味;肯定と否定の間にある民俗;肯定される時間;白い新年と赤い新年;「新年」・その時間的2元性)
焼畑村落の民俗変化―滋賀県東浅井郡浅井町野瀬(湖北のオコナイへの関心;焼畑の村の消長;オコナイ儀礼の消長;芋くらべ祭―滋賀県蒲生郡日野町中山)
宮座制と村落共同体(岡山県真庭郡勝山町1宮神社の当屋;岡山県阿哲郡神郷町の事例)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Arisaku_0225
14
日本人の「神様」とはどういったものなのか、という問いを持って読んでみたが、自分には難しかった。冒頭で述べられている通り、日本人の共同体といっても様々な形態があり(例えば稲作民、漁撈民、都市民)、地理的な相違があり、そして異なる神がいる。日本人の「神様」とは何かを考えるにはそれぞれのケーススタディを元にしなければ行けないのだが……「イメージ」が出来なかった。2024/03/27
とまる
0
民間に残る風習は様々な信仰が入り乱れ、簡単に文化圏と重ねて分類することはできない。降りる神と現れる神。場や時期から見て類似しているかに見えた風習も分類のフィルターを変えれば全く違うカテゴリーに分かれる。 そういえば少し前に、お赤飯が「赤い」ということの意味を考えた。 ①色を付ける意味は:白米より神との共食に相応しい=聖?or白米が望ましくないので敢えて汚す=穢? ②赤である意味は:赤いということに意味がある?or小豆と炊くことに意味がある? 考えたことすら忘れていた疑問の答えが、少し見えたり。2013/06/30
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