出版社内容情報
ハンス-ウルリヒ・ヴェーラー[ヴェーラー]
著・文・その他
大野 英二[オオノ エイジ]
翻訳
肥前 栄一[ヒゼン エイイチ]
翻訳
目次
1 1871年の情勢。農業革命、産業革命ならびに国家建設(農業革命と地方土地貴族の指導層;産業革命と都市市民層;内政。反動、自由主義ならびに憲法紛争 ほか)
2 工業国家への興隆(高度工業化の最初の局面。工業成長の停滞と構造的な農業不況、1873‐1895年;工業の高景気と助成された農業。組織資本主義と干渉国家との興隆、1895‐1914年)
3 支配体制と政治(政治体制;中心問題。政治的動員に対する現状の擁護;統合のかすがいと構造的な民主主義敵対性 ほか)
4 ひとつの決算
5 付録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッキー提督
4
同時代のドイツ外交史について読もうと模索した結果、手ごろなものが見つからず比較的手に入りやすかったので読んだ大著。本来おそらくこの分野の基本的な知識を得てから読むべき本であった感は否めないが、同時代のドイツ政治の根源的問題として、既得権益層が過度に保護され改革を進められない中で、産業と軍備の発展が進んだ様が掴めたように思う。 本書においてこの構造は外交も規定したとされており、英仏露のいずれとの関係改善の可能性が潰れてしまい、WW1に至る陣営構造から脱せなかったという点を学べたため、当初の目的は達せられた。2022/01/23