出版社内容情報
小林 康夫[コバヤシ ヤスオ]
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よしむね
1
哲学の領域 哲学と思想 いま哲学がどのように活かされているか 哲学としての中国 哲学と倫理 哲学と道徳 などなど多面的に哲学を哲学するお話。 「道徳がなぜ哲学の権威を必要とするか」 「死→哲学、死者→宗教、狂気→医学という安易な役割分担。優れた文学のみがそれらを一緒くたにして正面から取り組んでいる。哲学以前宗教以前医学以前の立場に戻らないとあかんで」 という話がよい。 全体としてカジュアルな文体で書かれていて東大教員たちの涙ぐましい努力がうかがえる。2017/03/31
amanon
1
人文系の学問の中でも、とりわけ隅に追いやられがちな哲学。反知性的な空気が蔓延しようとしている昨今だからこそ哲学の意味が問われるのでは?ということに改めて気付かされた。収録されている論文の難解さにはややばらつきがあるが、それぞれに真摯な姿勢で哲学に向かっているのが感じられる。個人的にはフランスの中国を専門とする人類学者による「哲学的なもの〜」がとりわけ興味深く読めたか。自分の専門をベースにしながら、中国を始め、フランス、ドイツ、日本といった視点から哲学を語るというスタンスは非常に新鮮で刺激的だった。2016/07/14




