能力主義を問い直す - 教育社会学をめぐる対話

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  • サイズ A5判
  • 商品コード 9784623099665
  • Cコード C3037

出版社内容情報

機会の平等と能力による評価、分配は、人々の生存を切り崩す「結果の不平等」を正当化する可能性と表裏一体ではないだろうか。能力主義には少なからぬ問題があるにもかかわらず、教育社会学は、その維持に手を貸してしまってはいないだろうか。本書は日本教育社会学会を舞台に行われた議論を、質疑応答も含めて収録。さらに議論を深める8つの論考から能力主義批判を超える立脚点をさぐる。



【目次】

はしがき

序 章 能力主義と教育社会学(山口 毅)


 第Ⅰ部 能力主義を問い直す

報告1 行政学から見た能力主義(金井利之)
 1 メリット・システム
 2 現行日本の国家公務員制度
 3 行政作用における能力
 4 能力の帰着
 5 教育社会学的なメリトクラシー像について
 6 議論を整理するための三つの論題について
 7 メリトクラシーの呪縛からの解放

報告2 能力原理により正当化される配分と支援(桜井智恵子)
 1 問題の所在──「能力の原理」と暴力
 2 教育研究における能力主義の位置──教育の政治経済化
 3 先行研究における原理的な批判
 4 まとめにかえて

報告3 「能力」から「必要」に応じた分配の構想へ(広瀬義徳)
 1 職業的地位の配分と労働市場の関係
 2 不平等が構造化された労働市場
 3 能力主義に基づかない賃金所得の分配
 4 「自己労働所有」テーゼの論理破綻
 5 「必要」に応じた分配への規範的要請
 6 労働生産性低下説をめぐって
 7 「必要」に応じた分配原理の社会構想へ向けて

指定討論1(大多和直樹)
 1 能力主義そのものを捉え直す
 2 メリトクラシー、三つの幻想
 3 能力主義の正当性はどこにあるのか
 4 能力主義はなぜはびこるのか
 5 三人への質問

指定討論2(広田照幸)
 1 「AはダメだからBだ」をどう聞くか
 2 三者の報告に(おそらく)共通の視角
 3 メリトクラシーを問題にすることは重要

応答と討議


 第Ⅱ部 能力主義批判をめぐる対話

第1章 課題研究をどう引き受けるか(大多和直樹)
 はじめに
 1 「すれ違い」はどのように生じたのか
 2 教育社会学の諸研究の関心の在処と「すれ違い」
 3 「すれ違い」をどう埋めていくか

第2章 「能力の共同性」と能力主義批判について考える──教育経済学的アプローチに基づく実証研究を行ってきた者の視点から(島 一則)
 はじめに
 1 「能力の共同性」の観点からの人的資本論の再検討
 2 人的資本論・能力主義批判と必要に応じた分配に関する検討
 3 能力主義批判・人的資本論(「能力の共同性」)を前提とした必要に応じた分配

第3章 「必要に応じた分配論」が教育社会学研究に問うていることとは──具体的事例の検討を踏まえた一考察(居郷至伸)
 はじめに
 1 検討に向けた分析枠組み
 2 収益はいかにしてもたらされ、分配されるのか──経験研究の事例検討を踏まえて
 3 事例に見る「能力に応じた分配」が抱える難点とは
 4 「必要」に応じた分配に拓かれた社会の

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