内容説明
東西冷戦を背景に保革のイデオロギー対立が激化した1950年代、「教育の政治的中立」をめぐって多方面で活発な議論が展開され、その確保を目的とした教育二法が制定された。政治的対立を象徴するものであったがゆえに、戦後教育史において論争の対象とされてきた教育二法。本書は、新史料も多く活用しつつ、従来とは異なる視点から、その制定過程を実証的に再検討し、同法制定に関する新たな知見や示唆を提示する。
目次
序章 教育二法制定過程の再検討
第1章 教育基本法制定過程における「教育の政治的中立」論議―教育刷新委員会・第九十二回帝国議会での審議に焦点を当てて
第2章 義務教育学校職員法案と教員の政治活動制限論議―第十五回国会における論議を中心に
第3章 教育二法案の立案過程―国会審議以前における法案作成の経緯について
第4章 教育二法案と中央教育審議会―「教育の政治的中立」をめぐる論議の検討
第5章 教育二法案の国会審議過程―衆参両院における論議の展開と教育二法の成立
第6章 教育二法制定過程における教育関係団体―日本教職員組合の活動を中心に
第7章 教育二法制定過程における「世論」―新聞記事及び国会請願・陳情の検討を通して
終章 結論と今後の課題
著者等紹介
藤田祐介[フジタユウスケ]
1975年京都府生まれ。現在、武蔵野大学教育学部・同大学院教育学研究科教授。博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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