出版社内容情報
1960年代初頭、全国の駐屯地周辺の地域を中心に、民間の自衛隊支援団体である「防衛協会・自衛隊協力会」が設立され始めた。自衛隊支援と防衛思想の普及を主な目的とするこの団体は、1960年代後半にはすでに全国で1,090の協会と約49?60万人の会員を擁するまでに拡大した。本書は、1990年代以降、自衛隊への支持が拡大したという一般的な見方に対して、その「前史」を描くことによって、自衛隊研究に新たな一面を提示するとともに、「日本人にとって自衛隊とは何か」という、戦後日本社会の重要課題を考える材料を提供する。
内容説明
松下幸之助、桜田武、そして財界人…。政界が防衛論議を避け、自衛隊が「日陰者」扱いされる中、全国各地で支援団体設立に尽力した人々の軌跡。
目次
戦後日本社会における自衛隊認識
反自衛隊的風潮と自衛隊のタブー化―一九五四~一九六〇年代前半
三八豪雪と防衛協会・自衛隊協力会の設立―一九六三年
松下幸之助と自衛隊支援の広がり―一九六四年
自衛隊支援ネットワークの全国的形成―一九六九年
なぜ財界人は自衛隊を支援したのか
沖縄返還と沖縄県自衛隊協力会の設立―一九七二年
財界人と自衛隊支援ネットワークの形成
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