出版社内容情報
アメリカ、フランス、中国、ロシア、日本、東南アジア… 混迷する世界経済、その現状を解明し、展望を見出す。「グローバル化」からの揺り戻し
アメリカ、フランス、中国、ロシア、日本、東南アジア…
混迷する世界経済、その現状を解明し、展望を見出す。
世界経済は、行き過ぎたグローバリゼーションからの揺り戻しという大きな転換期に差し掛かっている。先進国における格差拡大の中で、没落する中産階級が民主主義の経路を通じた反乱を起こしていることが、この揺り戻しの原動力である。だが変化は世界で一様に起こっているわけではない。本書では、世界の主要国、地域の現状を、「格差」という補助線から明らかにし、今後の国際秩序展望の一助とする。
はしがき
序 章 グローバル経済のいまをどう読むか――グローバリゼーションと民主主義のジレンマを超えて(溝口由己)
1 グローバリゼーションの果実は誰に配分されたのか
2 「1%対99%」の格差
3 「人間の顔をしたグローバリゼーション」を!
4 本書の内容
第1章 資本主義経済ではなぜ格差が生まれ,拡大するのか――資本主義の仕組みから考える(菅原陽心)
1 資本主義の歴史的発展と格差
2 階級間格差の理論的解明
3 20世紀資本主義=大衆社会化の進展の理由
4 グローバル経済の進展と労働力商品
第2章 世界各国の経済システムはなぜ違うのか――所得格差の時間的可変性と空間的多様性(厳 成男)
1 現代資本主義の時間的可変性と空間的多様性
2 現代資本主義における所得格差の多様性
3 所得格差の拡大メカニズム――累積的因果連関の視点
4 格差を収斂させる力と制度的調整の役割
第3章 パックス・アメリカーナの衰微とネオブロック化?――格差・戦争・景気に彷徨うアメリカ経済(大森拓磨)
1 アメリカという国家の普遍で歴史的な特質
2 格差・戦争・景気が導く覇権国家への途
3 パックス・アメリカーナの醸成と隆盛
4 パックス・アメリカーナの衰微とネオブロック化
第4章 「植民地帝国」フランスはどう変わったのか――「エナルク」階層で見出された二大原石に着目して(藤田 憲)
1 ミッテランに見出された原石――ジャック・アタリ
2 アタリに見出された原石――エマニュエル・マクロン
3 脱植民地化と欧州統合の同期性
第5章 中国経済はどこへ向かうのか――その現在地と今後(溝口由己)
1 リーマンショック後の景気回復
2 「新常態」(ニューノーマル)
3 中国の格差問題
4 中国はどこへ向かうのか
第6章 ロシア経済の内実とは何か――格差から見るロシア経済の多様性(道上真有)
1 1990年代の市場経済化がもたらしたもの
2 資源依存型経済の盛衰
3 格差から見るロシアの人々の生活とその多様性
4 多様な格差が共生するロシアとどう付き合うか
第7章 日本の所得再分配政策は機能しているか――税と社会保障による再分配の課題(根岸睦人)
1 日本の所得格差と再分配の現状
2 再分配政策の国際比較
3 日本の公的負担の仕組みと課題
4 日本の生活保障の仕組みと課題
第8章 東南アジア経済は「中所得国の罠」を克服できるか――中間層拡大と格差問題(石川耕三)
1 2000年代の東南アジア経済
2 「中所得国の罠」をどう克服するか
3 東南アジア諸国の経済政策
4 東南アジアにおける格差問題
人名索引
事項索引
溝口 由己[ミゾグチ ユウキ]
編集
内容説明
世界経済は、行き過ぎたグローバリゼーションからの揺り戻しという大きな転換期に差し掛かっている。先進国における格差拡大の中で、没落する中産階級が民主主義の経路を通じた反乱を起こしていることが、この揺り戻しの原動力である。だが変化は世界で一様に起こっているわけではない。本書では、世界の主要国、地域の現状を、「格差」という補助線から明らかにし、今後の国際秩序展望の一助とする。
目次
序章 グローバル経済のいまをどう読むか―グローバリゼーションと民主主義のジレンマを超えて
第1章 資本主義経済ではなぜ格差が生まれ、拡大するのか―資本主義の仕組みから考える
第2章 世界各国の経済システムはなぜ違うのか―所得格差の時間的可変性と空間的多様性
第3章 パックス・アメリカーナの衰微とネオブロック化?―格差・戦争・景気に彷徨うアメリカ経済
第4章 「植民地帝国」フランスはどう変わったのか―「エナルク」階層で見出された二大原石に着目して
第5章 中国経済はどこへ向かうのか―その現在地と今後
第6章 ロシア経済の内実とは何か―格差から見るロシア経済の多様性
第7章 日本の所得再分配政策は機能しているか―税と社会保障による再分配の課題
第8章 東南アジア経済は「中所得国の罠」を克服できるか―中間層拡大と格差問題
著者等紹介
溝口由己[ミゾグチユウキ]
1966年愛知県生まれ。北京大学経済学博士課程修了。博士(経済学)。現在、新潟大学人文社会科学系(経済学部)准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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