出版社内容情報
民主党への失望、アベノミクス本格始動、ネット選挙解禁…発足半年の第二次安倍政権を、有権者はどう評価したか。二〇一〇年以来続いた「衆参ねじれ国会」は、日本政治停滞の大きな要因だったが、二〇一二年発足の第二次安倍政権により解消されるに至る。はたしてその背景には何があったのか。また「アベノミクス」「憲法改正」などの政権公約、そして解禁されたネット選挙はどれほど効果があったのか。二院制のあり方をも問いかける二〇一三年参院選について、本書では全国各地の特徴的選挙区を調査することで、その実態を明らかにする。
はじめに――「衆参ねじれ解消選挙」としての二〇一三年参院選
序 章 「衆参ねじれ解消選挙」に至る展開(白鳥 浩)
1 自民党の「政権奪還」と民主党の下野
2 「アベノミクス」と政権を取り巻く状況
3 「ネット解禁」と黒田日銀総裁の誕生
4 国際と地方
5 「一票の格差」と選挙制度
6 日本政治の保守化と橋下「慰安婦」発言
7 野党の選挙公約の発表
8 地方と国政
9 東京都議選と沖縄「慰霊の日」
10 「ねじれ国会」の終焉
11 公示そして投開票へ
第?部 候補者の変容
第1章 大物現職はなぜ大敗したか――石川県選挙区(岡田 浩)
1 問題の所在
2 候補者のイメージ・好感度・知名度
3 候補者や政党の動向
4 メディアや団体の動向
5 大物現職はなぜ大敗したか
第2章 離党議員の参議院選挙――香川県選挙(堤 英敬/森 道哉)
1 問題の所在
2 分析の焦点――離党行動とその選挙への影響
3 民主党からの離党
4 政党・支持団体の離党への反応
5 参院選における選挙運動
6 有権者の反応――選挙結果の分析
7 離党の理想と現実
第3章 地方政治家の国政への挑戦――比例代表区(丹羽 功)
1 比例代表と地方政治家
2 二〇一三年参院選における地方政治家の動向
3 「ご当地候補」をどうとらえるか
第4章 比例区選挙・非労組系民主党候補の敗北――ツルネンマルテイの事例(久保谷政義)
1 比例区における民主党の敗北
2 ツルネンの経歴と過去の得票構造
3 崩壊した票田――神奈川県の地域事情
4 脱「地域」の試み――全国展開とネット選挙
5 参院比例区候補者と政党の候補者擁立戦略
第?部 政党の変容
第5章 自民も小沢も勝てなかった選挙――岩手県選挙区(伊藤裕顕/河村和徳)
1 小沢王国に生じた亀裂
2 二〇一三年参院選の動向
3 国会議員と地方政治家の関係から考察する岩手選挙区の結果
4 小沢神話の終焉
第6章 民主党の退潮と「デモクラシー」としての自治体――東京都選挙区、神奈川県選挙区、静岡県選挙区(白鳥 浩)
1 民主党の退潮傾向と候補者の擁立
2 選挙の過程
3 選挙結果の分析
4 自治体間の「比較政治学」の可能性――デモクラシーとしての自治体
第7章 「平和の一議席」守り抜く――沖縄県選挙区(照屋寛之)
1 国策が問われる沖縄県選挙区
2 政党と政策のあり方――党本部と県連のねじれ選挙
3 候補者の主な公約
4 有権者の政策選択と候補者の政策提示
5 基地問題、オスプレイ再配備、憲法問題世論調査
6 支持組織
7 選挙結果
第8章 解禁されたネット選挙運動の課題(湯淺墾道)
1 国政選挙における初のネット選挙運動
2 インターネット選挙運動の解禁に向けた動き
3 公職選挙法改正の内容
4 電子メールに関する問題
5 落選運動
6 二〇一三年参院選におけるインターネット選挙運動の問題点
7 インターネット選挙運動からSNS選挙運動へ
8 インターネット投票実現に向けて
第9章 ネット選挙は投票行動を変えたか(岡本哲和)
1 「期待はずれ」のネット選挙?
2 候補者によるインターネット利用
3 選挙情報に関する有権者のインターネット利用状況
4 インターネット選挙情報への接触の効果
5 ネット選挙解禁の影響と今後
終 章 「ねじれ国会」解消と「一強多弱」の完成(白鳥 浩)
1 消極的選択による「ねじれ解消」
2 選挙結果――自民党、民主党、第三極
3 日本政治の変動
4 「一強多弱」の余波
おわりに――参院選と民主主義のデザイン
資料 二〇一三年参議院議員通常選挙選挙結果
人名索引
白鳥 浩[シラトリ ヒロシ]
*2016年9月現在法政大学大学院政策科学研究所教授(政治学)
内容説明
二〇一〇年以来続いた「衆参ねじれ国会」は、日本政治停滞の大きな要因だったが、二〇一二年発足の第二次安倍政権により解消されるに至る。はたしてその背景には何があったのか。また「アベノミクス」「憲法改正」などの政権公約、そして解禁されたネット選挙はどれほど効果があったのか。二院制のあり方をも問いかける二〇一三年参院選について、本書では全国各地の特徴的選挙区を調査することで、その実態を明らかにする。
目次
「衆参ねじれ解消選挙」に至る展開
第1部 候補者の変容(大物現職はなぜ大敗したか―石川県選挙区;離党議員の参議院選挙―香川県選挙区;地方政治家の国政への挑戦―比例代表区;比例区選挙・非労組系民主党候補の敗北―ツルネンマルテイの事例)
第2部 政党の変容(自民も小沢も勝てなかった選挙―岩手県選挙区;民主党の退潮と「デモクラシー」としての自治体―東京都選挙区、神奈川県選挙区、静岡県選挙区;「平和の一議席」守り抜く―沖縄県選挙区;解禁されたネット選挙運動の課題;ネット選挙は投票行動を変えたか)
「ねじれ国会」解消と「一強多弱」の完成
著者等紹介
白鳥浩[シラトリヒロシ]
1968年東京都生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。現在、法政大学大学院政策科学研究所所長。英国オックスフォード大学ペンブローグ・カレッジ客員フェロー。同ニッサン日本研究所客員研究員。日本地方政治学会・日本地域政治学会理事長。日本法政学会理事。法政大学大学院公共政策研究科教授。元静岡大学人文学部助教授。博士(政治学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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