内容説明
アリストテレス哲学にはじまる「知性」をめぐる議論を、ギリシア・ローマ、イスラーム世界の哲学者たちを通して躍動的に描く。
目次
第1章 アリストテレス
第2章 アレクサンドロス
第3章 テミスティオス
第4章 ファーラービー
第5章 アヴィセンナ
第6章 アヴェロエス
第7章 アルベルトゥス・マグヌス
著者等紹介
小林剛[コバヤシゴウ]
京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、首都圏の様々な大学で西洋思想関係の講義を担当。専攻、中世哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ハンギ
4
著者によるとアリストテレスは知性認識を感覚認識から分け、さらに受動的な知性認識のあり方について論じたが、後世の哲学者は、質料的な知性を個人の性質に当てはめたり、また逆に知性を普遍的な全体として理解したそうで、かなり変化している。身体への着眼点も中世人は持っていたようで、アルベルトゥスマグヌスは触覚に基づいて哲学を論じるなどしたらしい。アリストテレスにしたら大きな逸脱かもしれないが、そうやって哲学の歴史は進んで来たんだなあと思う。2014/05/30
じょあん
2
知性認識とは何か? アリストテレスの知性論の系譜をたどる。アリストテレスの知性論それをどう解釈し、知性認識がいかなるものかに迫ろうとするそれぞれの哲学者たちの論をかみ砕いて解説してくれている。哲学書としては比較的読みやすく理解しやすい一冊。ここを通らないと文献案内にあるような本は理解しがたいだろう。2023/09/15
ヘンリー八世が馬上試合で死んだことは内緒
1
アリストテレス「知性がすべてを受け取るなら、知性には現実態がなく、ただ可能態しかないものでなければいけない」このような可能知性ははたしてあり得るのか?この問題は、知性は全人類のうち唯一しか存在しないという知性単一論に発展していく。個々人のちがいとは、想像による区分でしかないのか?感覚能力による区分なのか?2019/03/09
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