出版社内容情報
今さら?否!今こそ朱子学 東アジアの思想原理である朱子学の世界観と基本概念をわかりやすく解説。
内容説明
朱子学を知ることは、私たちの過去・現在・未来を見つめ直すことだ。東アジアの思想原理である朱子学の世界観と基本概念をわかりやすく解説。
目次
第1章 仏教なんてぶっとばせ―朱子学の位置
第2章 気のせいって何のせい?―朱子学の世界観
第3章 理屈っぽいのが玉に瑕―朱子学の世界認識
第4章 たかが心、されど心―朱子学の最優先課題
第5章 まずは形から―朱子学の方法・その一「居敬」
第6章 世界は一枚のジグソーパズル―朱子学の方法・その二「格物窮理」
第7章 ああ言えば、こう言う―朱熹と朱子学
第8章 心の外には何もない―朱子学と陽明学
第9章 朱子学を学ぶと人柄が悪くなる?―日本の朱子学
第10章 朱子は君子か?―朱熹の人物像
著者等紹介
垣内景子[カキウチケイコ]
1963年生まれ。1986年早稲田大学第一文学部哲学科東洋哲学専修卒業。1993年早稲田大学大学院文学研究科単位取得満期退学。現在、明治大学文学部教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
isao_key
18
明治大学文学部「東洋思想史」講義を元に、一般学生に朱子学を説明するために書かれた。はじめにで、朱子学に興味を持ち、もう少し詳しく具体的に朱子学について知りたいと思った人が、様々な朱子学に関する書物にあえなく撃沈しないための入門のための入門書だと述べている。朱子学独特の概念である「理と気」「性即理と心即理」「未発已発」「居敬」「格物窮理」など、かみ砕いて分かりやすく説明している。出典は原文や書き下し文はなく、現代語訳のみで示してあるが、出典先もきちんと記してあり、しっかりと研究書としての体裁を備えている。2016/07/04
あっきー
14
✴4 儒教関係の本を沢山読んできたわけではないが、最初の1冊にこの本を読んでおけば他を読む必要は無かったかと思ってしまう決定版だ、仏教の空-無の思想に対抗した気-有や、陰陽と感応が電子を想像させること、気と理の認識論が特に面白い、吉田松陰が陽明学シンパにさせられた解説もあった 2020/03/02
tom
13
冨谷至の書く古代中国の話が面白くて、その延長線上で借りてきた。とりあえず、最後まで読みました。孔子が儒教を言い出した。どこかに聖人がいる。その聖人に近づくために、何をすべきかというところから、儒学者という人たちは、いろいろ考えた。そして、朱子さんは、すべてのことについて、「微に入り差異を穿って」とことん考えろと言ったらしい。それが日本のお国の文化輸入にも役に立ったとのこと。読んでいる途中では、それなりに面白いと思ったのだけど、その途中で、こういう本を読もうとするのは、歳を喰った証拠かと思った次第(笑)。2019/11/27
ゆうきなかもと
11
再読してよかった。 特に、朱子が、「あるがまま」の心を「あるべき」心にしようとする思想なら、陽明は「あるべき」心は「あるがまま」の心であるという指摘はわかりやすく、類書にはない指摘だと思った。2019/01/25
ゆうきなかもと
9
このジャンルでは最も包括的。 そしてわかりやすい。 以下本書からの引用《朱子学は、ひと言で言えば、心の問題を解決し、より心安らかに生きるための思想である。》 こんなレベルの表現で、このジャンルが好きな人間は薄々気づいていた朱子学の側面を分かりやすく解説してくれる本書。 個人的には、格差社会といわれる、現代だからこそ、本書をきっかけに朱子学からメンタルマネジメントを学ぶことが必要なのだ、と主張したい\(^o^)/2016/10/05