内容説明
自己決定・利用者主体論の再検討―「主体」と「他者」を鍵概念として、非対称な関係性にある利用者‐援助者がいかに協働すべきかを考察する。
目次
第1部 他者の“他者性(otherness)”を尊重する(「他者に基礎づけられた倫理」の可能性―傷つきやすい他者への応答;満たされるべきニーズ/表明されないニーズ;社会福祉援助におけるジェンダー―援助者と利用者の動態的関係)
第2部 ワーカーという主体を再考する(文化的他者としての利用者と援助者―外国人住民の増加をめぐって;もう一人の他者との連携・協働―多職種連携・協働の課題とその可能性;ワーカーのオートエスノグラフィー―どこまで反省的になれるか;方面委員制度にみるケアとコントロールの諸相―社会事業期における援助実践から)
第3部 利用者‐援助者関係を考える(利用者‐援助者関係のバランス―援助するひとと援助されるひととは、どこまで対等になれるか;自己決定をめぐる支援者の問題―体験を通した選択肢の獲得に焦点を当てて;援助の終結とその評価の意義)
著者等紹介
児島亜紀子[コジマアキコ]
1997年東洋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会福祉学)。現在、大阪府立大学地域保健学域教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
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本著は、社会福祉の援助者と利用者の関係を考えることを目的とし、まず社会福祉の対象として「ニーズ」を位置づけます。本著は3部構成です。1部「他者の〈他者性(otherness)〉を尊重する」2部「ワーカーという主体を再考する」3部「利用者ー援助者関係を考える」です。援助関係では対等な関係を築くことが難しく、パートナーシップの構築はできるが、違う存在である利用者と援助者が同じ立ち位置にたつことは難しいとしています。いろいろと勉強になりましたが、疑問や考え込むことも多い内容でした。2015/10/27
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