内容説明
イギリス内戦の萌芽が看取される専制君主として、否定的に捉えられてきた近世スコットランドのジェイムズ六世。本書では、「君主の鑑」として描く四つの君主像と実践的視点という、近代ヨーロッパの国家形成につながるジェイムズ六世の王権論を体系的に分析する。王権神授説の提唱者という従来の一面的な捉え方から脱し、ルネサンス君主としてジェイムズ六世の思想を明らかにする一冊。
目次
序章 ジェイムズ六世の王権論
第1章 一六世紀スコットランドの政治と社会
第2章 ジェイムズ六世の王権神授論―神聖な王
第3章 征服による世俗的王権―領主としての王
第4章 ルネサンス期の「君主の鑑」と道徳論―有徳な王
第5章 ジェイムズ六世とマキァヴェッリの統治論―統治する王
終章 近代国家形成につながる政治的リアリズム
著者等紹介
小林麻衣子[コバヤシマイコ]
2006年一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了、博士(社会学)。現在、立教女学院短期大学現代コミュニケーション学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。