出版社内容情報
一八四二年,父親の経営するマンチェスターの工場で働き始めたエンゲルス(一八二〇‐一八九五)は,資本家による苛酷な労働者搾取の現実を目のあたりにして,労働者の生活状態についての実態調査と研究を重ねた.本書はこの成果をまとめたもので,資本主義の原罪を明らかにしてゆく若きエンゲルスの情熱がほとばしる労働者生活史の古典.
内容説明
19世紀初頭のイングランド労働者階級の日常生活を子細に伝える本書は、読物として大変おもしろいものであるのみならず、その学問的意義も、出版から約1世紀半の今日なお少しも減じていない。労働者階級の状態が初めて科学的に解明され、労働者階級が初めて資本主義本制の変革主体として位置づけられた記念碑的著作。
目次
個々の労働部門―狭義の工場労働者
その他の労働部門
労働者運動
鉱山プロレタリアート
農業プロレタリアート
プロレタリアートにたいするブルジョアジーの態度
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
12
大都市の工場労働者に取材した上巻に続き、本巻では大都市での他の部門の労働者に始まり、さらに鉱山、農村の労働者とその環境を取材する。また、暴動や盗みのようなブルジョアジーへの反抗から脱して組織化されつつある労働運動の現状についてもまとめている。興味深いのは広範な取材源をリベラルなブルジョワジー側の雑誌や新聞、工場委員会の報告や法廷記録から得ている点だ。ブルジョワ側を擁護するこれら情報を現状の取材と比較吟味しかつ掘り下げて批判を展開する著者は、ブルジョワジー側に生まれ育った自身の立場の矛盾をも弁証法にかける。2026/04/20
CCC
2
19世紀イギリス貧困層の悲惨な生活実態を、これでもか、これでもかとばかりに書きだしたルポ。2015/08/26
弥生 真一郎
1
残念ながら上巻を入手できなかったため下巻だけ読みましたが、当時の労働者の賃金状態、環境や内容についての見識を深めることが手来ました。私はチャーリーチャップリンが好きなので彼が生きた時代のロンドンの労働者階級の切実な記録は胸を撃つものがありました。……なんとなく、テレビで話題に上る若年層労働者の雇用状態に対する本質的な議論の根幹が垣間見えることが出来た気がします。2011/01/18
斉藤達也
0
終盤で予言したイギリスでの共産主義革命は起こらなかったが、200年前に新聞が権力の走狗に過ぎないことを見抜いていた点などに独特なセンスが光る。2023/05/31
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