内容説明
いま、保育において大切にしなければならないこととは?これからの保育に求められる視点とは?本書では、佐伯胖氏と大豆生田啓友氏の対談をもとに、「子ども観とは」「遊びとは」「学ぶとは」「育つ・育てるとは」といった保育という営みの根本にある問題について考えていく。さらに、「子どもを人間としてみる」ということを人間学的な視点から考察した、汐見稔幸氏の特別寄稿も収録。保育制度の大変革期にあるいま、改めて保育の「新」と「真」を考える、保育関係者必読の一冊。
目次
第1部 幼児教育はなぜ生涯にわたる人間形成の基礎といわれるのか―対談 佐伯胖×大豆生田啓友
第2部 これからの保育に向けて(子どもを「人間としてみる」ということ―ケアリングの3次元モデル;子どもとともにあるおとなのあり方;子どもを丁寧にみるということ;人とのかかわりのなかで育つ「学び」とは;子どもを「人間としてみる」ことの「人間学」)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばななな
6
今あるがままの子どもの姿を、一人の人間として認めること。そして子どもがこの先なりたい姿を一緒に悩み、喜びながら求めていくこと。 子どもに関わる者として、心に刻んで生きていきたい。生きていく。2021/02/20
りょうみや
4
最近読んだアドラー心理学の「幸せになる勇気」に、教育において、子供・生徒を尊敬する(人間の姿をありままに見る)こととあるが、本書もタイトルが同じ趣旨のものであり、内容もアドラーに通じるものがある。しかし、自分にとって中身はなかなか難解。おそらく佐伯氏のこれまでの著書も読んでいないと、すんなりとは理解できないのではないだろうか。2016/03/09
さちゃ
1
二人称的かかわり。子どもと共に喜び、一緒に葛藤すること。子どもが本当に望んでいることは何か寄り添うこと。聴くこと。子どもに「なって」物事を理解しようとすること。 言葉では言える。実践したい。そして自分の世界も豊かにしたい。2021/05/27
ハンミョウ
1
保育はやればやるほど、「これでいいのか?」と感じることが多く出てくる気がする。だんだんテクニックばかりが身について、子どもの心に共感して「わがまま」を許せていない雰囲気を作ってしまっているかもしれない。2018/08/16
aki
0
タイトルが衝撃だったけれど、子どもを人間ではないとする向きへの批判はあまりなく、いかに子どもに共感し、第三者ではなく「あなた」として関わることが重要か、またその事例について。正直、紹介される理論は根本にある子どもという存在をどう捉えるか(教化すべき未熟な存在か、自ら育つ尊ぶべき存在か)についての解が提示されないまま後者を正として進むので、半ば思考の遊びのように感じてしまう。2022/02/19