内容説明
福祉の論理が、福祉政策と援助技術を中心に展開され、ノウハウの学問へと矮小化されつつある。しかし、自殺、うつ病、貧困、犯罪、虐待等の問題は、明らかに社会構造に起因する問題であり、サービス供給の調整で完結するものではない。今日、福祉の論理に求められているのは、独自の深い人間観(優生思想を根源的に批判できる人間観)に立脚し、広く文化・文明を問い、疎外された人と同じ目線に立って生きようとする“主権と人権をまもり高める福祉”の原理論の提起である。
目次
社会福祉学の広がりと深さ
第1部 社会福祉の定義と価値構造(福祉の公理、目的、目的価値、方法価値;自己実現するという価値観(価値観1―Individuality)
生活世界の再生という価値観(価値観2‐Reciprocity)
個人の尊厳と基本的人権という価値(価値観3‐Universality)
なぜ貧困を問うのか―野宿者への応答
福祉の価値観の背景にあるエートス
福祉の基本理念の定義)
第2部 社会福祉の価値と思想の展開(社会福祉の対象論・関係論;社会福祉における義と愛―ローザ・ルクセンブルクに学ぶ;思想としての社会福祉;社会福祉のフィールドとルーツ)
著者等紹介
加藤博史[カトウヒロシ]
1949年生まれ。同志社大学大学院修了。博士(社会福祉学)。14年間精神医学ソーシャルワーカーとして精神科病院で勤務の後、京都文教短期大学講師、助教授を経て、1998年より現職。龍谷大学矯正・保護総合センター長(2010年4月~2013年3月)現在、龍谷大学短期大学部教授。(専門:社会福祉原論、精神保健福祉)。社会福祉法人京都光彩の会理事長。京都市障害者施策推進審議会会長。京都精神保健福祉施設協議会会長等を兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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