内容説明
本書は、アメリカにおける農村社会学から農業社会学への展開について、20世紀初頭から克明にたどった労作である。激動のアメリカ農業の中で問い直される家族経営や地域社会、農業技術に対して社会学が達成した成果と学術的意義を明らかにし、日本が対応を迫られつつある工業的農業モデルが行きつく先にある農・食・環境の問題群に重要な分析視点を提供する。
目次
序章 農業社会学研究における三つの時代区分
第1章 農業構造の社会学研究―一九〇〇年から一九五〇年代初期まで
第2章 行動主義と社会心理学―一九五〇年代初期から一九七〇年代初期まで
第3章 農場・農家・農業労働の政治経済学と社会構造―新しい農業社会学(1)
第4章 農業をとりまく環境―新しい農業社会学(2)
第5章 農業の新しい政治経済学―その評価
第6章 農業に関する農村社会学研究―回顧と展望
著者等紹介
バトル,フレデリック・H.[バトル,フレデリックH.] [Buttle,Frederick H.]
コーネル大学における農村社会学科教授。また「科学・技術・社会プログラム」のメンバーであり、「生物学と社会」コースの主任教授である。コーネル大学開発社会学科教授、ウィスコンシン大学農村社会学科教授、および同大学農業技術研究プログラム(PATS)の主任教授を歴任した。またアメリカ農村社会学会の会長(1990‐91年)、農業・食料・人間的価値学会会長(1998‐99)も務め、それぞれの分野の発展に多大な貢献をした。2005年1月14日にガンのため56歳で死去
ラーソン,オラーフ・F.[ラーソン,オラーフF.] [Larson,Olaf F.]
コーネル大学農村社会学科名誉教授。1955年より66年まで農村社会学科の主任を、また1972年から75年まで「農村開発東北部地域センター」の所長を歴任した。1985年にはアメリカ農村社会学会より「農村社会学者優秀賞Distinguished Rural Sociologist Award」を授与
ギレスピー,Jr.,ギルバート・W.[ギレスピー,JR.,ギルバートW.] [Gillespie,Jr.,Gilbert W.]
コーネル大学農村社会学科研究員。専攻は、農業社会学、代替農業、環境問題
河村能夫[カワムラヨシオ]
1944年兵庫県生まれ。1978年コーネル大学大学院博士課程修了。現在、京都府立農業大学校校長、龍谷大学研究フェロー・地域連携フェロー(名誉教授)
立川雅司[タチカワマサシ]
1962年岐阜県生まれ。1985年東京大学大学院社会学研究科修士課程中退。現在、茨城大学農学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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