内容説明
藤原四子、奈良時代の公卿。藤原不比等の長子・武智麻呂(六八〇~七三七)、次子・房前(六八一~七三七)、三子・宇合(六九四~七三七)、四子・麻呂(六九五~七三七)。律令体制下で藤原氏政権の確立に努めた四人の政策と相互関係、そして人物像を描き出す。
目次
第1章 藤原不比等と四子の出生・出身
第2章 不比等の死没と長屋王政権
第3章 四子と長屋王の変
第4章 武智麻呂政権の成立
第5章 武智麻呂政権の確立とその政治
第6章 武智麻呂政権の崩壊とその後
第7章 四子の学問と文学
著者等紹介
木本好信[キモトヨシノブ]
1950年兵庫県生まれ。1978年駒澤大学大学院人文科学研究科日本史学専攻博士後期課程満期退学。2003年博士(学術)。前・甲子園短期大学学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ようはん
18
昔の学研雑誌で長屋王が善玉で藤原四兄弟が悪玉扱いの内容の漫画を読んだ事があるけど藤原四兄弟はあまりキャラの差別化がされてなかった。読んで見ると次弟の房前と比べ凡庸と言われつつも無難には政治を行っていた長兄の武智麻呂に長屋王とは比較的協調関係にあり長屋王の変では目立たず他の兄弟から浮きがちだった房前とそれぞれキャラは立っている感はある。 2021/11/07
スプリント
7
藤原不比等の4人の息子の業績を解説。 4兄弟協力というよりもそれぞれの個性を活かして行動した結果藤原氏の権勢を強めたともいえる。 天然痘により兄弟が次々と倒れていくのも運命的。2024/11/30
鈴木貴博
1
藤原不比等の子、武智麻呂、房前、宇合、麻呂の兄弟。父不比等のあとを継いで藤原氏政権の確立に努め、長屋王排除、光明子立后を断行するが、天然痘の流行で相次いで死亡、といったひとまとめの認識をしてしまっていたが、本書を読み、四子政権というよりは武智麻呂政権というべきものであり、当然ではあるが兄弟はそれぞれ個性と特技を有し役割をもってそれに関わり、また必ずしも一枚岩というわけではなかったといったことの諸々を興味深く知ることができた。いずれ劣らぬ逸材たちだが、唐で、東北で、九州で活躍する宇合氏が特に印象的。2018/02/14