内容説明
本書は二〇世紀全般にわたる文学作品、文化論、文化研究言説を領域横断的に精査し、田舎から都会、国民国家から帝国といった地政学的変容の系譜とその文化面での応答を明らかにする。新自由主義やポストフォーディズムとして定義される我々の現在の系譜を、イギリス思想、イギリス史のなかに見出す試みである。
目次
“田舎と都会”という文化
第1部 二〇世紀の“経験”(田舎者の英文学―レイモンド・ウィリアムズと文化の地図;『闇の奥』から『クラッシュ』へ―二〇世紀における認識地図の変容)
第2部 モダン・モダニズム・世界(都市の農夫―ホープ・マーリーズと遊歩者のユートピア;都市と田園のテクノロジー―歩く『ダロウェイ夫人』;『ハワーズ・エンド』とグローバル・イングランド文化の出現;未来派から遠く離れて―ウルフ・未来派航空劇・マニフェスト芸術)
第3部 文化と自由の系譜学(メタ・メタカルチャーとモダニズムの緩慢な死;二つの文化と反転された革命;デモクラシー・メリトクラシー・女性の暮らし)
ユートピア的テクストとしての批評
著者等紹介
河野真太郎[コウノシンタロウ]
1974年山口県生まれ。東京大学大学院人文社会研究科博士課程満期退学。博士(学術)。現在、一橋大学大学院商学研究科准教授。専門は20世紀イギリスの文化と社会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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