出版社内容情報
貴族の盛衰と武士の登場10世紀初?12世紀半ば
将門・純友の乱に幕を開け、藤原氏による摂関政治から武士の台頭?院政の確立までをひとつの時代ととらえる新しい視点に立つ。タテマエと儀式の世界に埋もれて王朝美と浄土を夢みる上級貴族の社会と、来たるべき中世社会を準備したたくましい中下級官人や武士・商人・女・僧らの活躍を対照させ、古代から中世への転換点をダイナミックに描きだす。団塊の世代が放つ、新い歴史像である。
内容説明
評議を繰り返す公卿。繊細な美の世界に酔う女院。私腹を肥やす受領たち。力に訴える武士と僧兵。そして末法の世…。絢爛たる王朝の社会に動めく様ざまな人間像を通して、古代と中世の懸け橋をさぐる。
目次
古代の秋中世の春―はじめに
将門と純友
摂関政治の盛衰(外戚の地位を求めて;道長の栄華)
受領と官人の世界
文化と宗教の新しい波
都市京都の生活空間
宋と高麗と日本
坂東と奥州の反乱(平忠常の反乱;平泉王国の成立;八幡太郎義家の実像)
治天の君と院政
新しい法を担う人々
武者と悪僧の世界
荘園公領と村落生活
歴史の転換点を見つめて―おわりに