内容説明
近年、先進地域のみならず途上地域でも様々な地域統合が進展し、リージョナリズムへの関心も高まっている。本書では、リージョナリズムの再生に注目し、この現象がグローバル化といかなる相互関係をもつのか、グローバルな諸関係に変容をもたらす可能性があるのか、ローカルな諸動向といかなる対応関係を持ちうるのか、を検討する。また新自由主義型グローバル化の暴走を抑制し、市民社会へ埋め込む可能性を探る。
目次
新自由主義を超えるために―若干の理論的検討課題について
第1部 グローバル/リージョナル/ローカル関係の現在(グローバル化とリージョナリズム―理論的現状と課題;リージョナリズムと国家;リージョナリズムとガヴァナンス)
第2部 民主主義・社会運動と参加型ガヴァナンス(ローカルな民主的ガヴァナンス構築と社会運動;ブラジルにおける社会運動と労働運動の交差―労働者党の挑戦;ブラジルにおけるローカル・ガヴァナンス構築の実験―参加型制度と「市民社会‐政治社会」関係;ケーララにおける「政治社会‐市民社会」関係の変容―社会運動の展開との交差から;インド・ケーララの民主的ローカル・ガヴァナンス;参加型ローカル・ガヴァナンスが提起する挑戦と課題―「国家‐市民社会」の新しい関係;動揺する人間の安全保障―ガヴァナンス構築と社会運動)
グローバル/リージョナル/ローカルの重層的ガヴァナンスに向けて―新自由主義国家への対抗プロジェクトの可能性
著者等紹介
松下冽[マツシタキヨシ]
1947年東京都生まれ。1970年早稲田大学第一法学部卒業。1985年明治大学大学院政治経済学研究科政治学専攻博士後期課程単位取得退学。現在、立命館大学国際関係学部教授。博士(国際関係学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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