内容説明
現代ドイツを代表する歴史家の豊かな世界理解。読み始めたらとまらない、歴史三部作の第二弾。独善的な一国至上主義的歴史観、歴史事象をすべて自国中心に考える狭隘で閉鎖的なナショナリズムが粉砕され、民族や国家、あるいは国籍を超えた“公平で、普遍的な”歴史解釈の本質的重要性が、個性的な筆致で熱く論じられている。
目次
第1部 地球文明の創造と人類史の特徴(人類の始祖たち―世界史の始まり;遊牧民から農耕生活者への転換―人類の基本的ライフ・スタイル;偉大な発見、卓越した発明―道具による新世界との出会い;知性に溢れた民族の登場―メソポタミア文明圏 ほか)
第2部 政治権力・帝国建設・宗教の役割(最初の世界帝国―法治国家ローマ;世界宗教の出現―キリスト教とイスラム教;カロリング王朝―その勃興と没落;中世ヨーロッパ社会の身分制度―最上層・中下層・最下層 ほか)
第3部 大陸文明と海洋文明(キリスト教世界の分裂―カトリック教会とプロテスタント教会;宗教戦争とヨーロッパ社会―不毛な自己絶対化;東アジア世界の鎖国主義―中国と日本;「国家、それは余の所有物だ!」―ルイ十四世とフランス絶対主義 ほか)
第4部 激震するヨーロッパ大陸―政治・産業・社会・思想の大変革(ヨーロッパ脱出、“新大陸”アメリカへ―暴挙か、冒険か?;フランス市民革命―自由・平等・友愛の源流;ナポレオン支配下のヨーロッパ―革新と守旧の矛盾;産業革命と科学の発展―起点としてのイギリス ほか)
第5部 戦争と平和―世界の東西分断化、南北問題の浮上(世界史上最初の共産主義国家―ソ連邦の誕生とその影響;植民地支配と隷属からの解放―インドと中国の比較;敵は“左”ではなく“右”にいるのだ!―イタリアの極左・極右勢力の対立;ドイツ第三帝国の出現―政治の停滞と経済の不況 ほか)
著者等紹介
マイ,マンフレッド[マイ,マンフレッド][Mai,Manfred]
1949年ドイツ南西バーデン・ヴュルテンブルク州シュヴァーベン高地の一農村ヴィンターリンゲンに生まれる。大小150冊を超える著作を持つ歴史家で、作家・文学者としても広く知られている。現代ドイツの高名な著述家の一人。きわめて広範な領域で精力的な著作活動を展開し、最近は舞台演劇などにも手を染めている
小杉尅次[コスギカツジ]
1942年静岡県天龍市(現浜松市)に生まれる。1961年静岡大学入学。2年後中退し、1963年東京神学大学へ編入学。学部・修士課程を経て、1968年大韓民国へ留学(ソウル大学・大韓神学大学修士課程)、1970年帰国。1977~1983年ドイツ連邦共和国(旧西ドイツ)ハンブルク大学へ研究留学。1983年1月、同大からPh.D.取得、3月帰国。現在、静岡産業大学教授。専門は地球文明学/哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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