内容説明
ダイナミックに変貌しつつあるアジア政治は、さまざまな問題を抱えながら、新しい課題に挑戦している。本書は、世界の注目を集めている南・東南アジア諸国を「南部アジア」として一括して取り上げ、その成り立ち・特徴・現況・将来展望について、各国が抱える主要課題ごとにまとめて詳解するとともに、地域協力・地域秩序の現状と将来を論じる。ユニークな編集方針の下、グローバル化する世界の中にアジア政治の「今」を6部構成で立体的に描き出す。
目次
第1部 分離の苦痛と自決の渇望
第2部 エスニック政治を越えて
第3部 国民のアイデンティティとイスラーム
第4部 社会の「開放」と「民主化」の行方
第5部 飛躍の契機と山積する課題
第6部 南部アジアの地域制度構築
著者等紹介
山影進[ヤマカゲススム]
東京大学教養学部卒業、マサチューセッツ工科大学Ph.D.現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専門分野は国際関係理論、比較地域体系論、人間の安全保障論、人工社会構築論
広瀬崇子[ヒロセタカコ]
ロンドン大学Ph.D.(International Relations)。現在、専修大学法学部教授。専門分野は国際政治学、南アジア地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ワッキー提督
1
東南アジアから南アジアにかけて、各国情勢が中心ではあるが、包括的な地域分析にも力を割いている一冊。この地域の越境性や流動性の高さを理解することができた。今後これらの地域は周辺地域との繋がりを含めて確実に重要性を増すので、北東アジア、オーストラリア、環インド洋との繋がりにもう少し分析が欲しいと感じた。2017/03/23
Sanchai
0
興味のある章のみ拾い読みした。各国の政治情勢をかいつまんで理解しておくにはよい本。(但し、読者の関心領域によっては歩留まりが少ないような気もする。)ちなみに僕が読んだのは、印パキ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ネパール・ブータン、インドの各章である。ページ数にして全体の半分にも満たず、「読んだ本」としてページ数を積み上げることに罪悪感も感じる(苦笑)2013/01/20