内容説明
安田善次郎(一八三八~一九二一)実業家・銀行家。日本橋の両替店「安田屋」から金融業を成長させ、一代で安田財閥を築いた安田善次郎。金融・経済界の発展だけでなく、東京大学安田講堂の寄贈など社会事業にも貢献した銀行王の知られざる生涯を、厖大な日記・手控を駆使し克明に描き出す。
目次
第1章 郷里から江戸、安田屋経営―行商、奉公そして独立
第2章 維新の変革と安田善次郎―「巨富」の蓄積・経緯と実体
第3章 両替商から銀行家へ―第三国立銀行と安田銀行
第4章 日本銀行設立と安田善次郎―知られざる活動と役割
第5章 多角化と財閥の形成―急激な成長とその特性
第6章 銀行家としての大成とその表裏―工業化の挫折と近代化の限界
第7章 晩年の孤独と死―銀行界の覇者の運命
著者等紹介
由井常彦[ユイツネヒコ]
1931年長野県生まれ。1960年東京大学大学院経済学研究科修了。経済学博士。明治大学経営学部教授、文京学院大学大学院経営学研究科教授、ロンドン大学、パリ大学大学院、北京外国語大学客員教授(経営史担当)を経て、現在、公益財団法人三井文庫常務理事・文庫長、明治大学名誉教授、財団法人日本経営史研究所名誉会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tadashi_N
32
後ろ盾はなかったが、先見の明と卓越した判断が、みずほ銀行などを生んだ。2018/01/30
rbyawa
0
f001、安田財閥という銀行財閥を擁する人物ですが、あくまで人物の伝記であって、と断られていたようにちょっと途上という気はするかな。後継者に関してはちゃんと最後の顛末まで書いてありましたが。まず初期の日本銀行の理事になって横浜正金銀行の窮状を救うところから公的な人物としてのキャリアが始まったみたいな感じかしら、あまり政府関係の仕事は気乗りしなかったようですがたまに救済に出てくるんだね。事業パートナーとしての浅野総一郎(こっちは他に本があるのでちょっとだけ)、雨宮敬次郎などの地方の実業家にもそこそこの言及。2015/01/16
dexter4620
0
4年半ぶり2度目の読了。安田善次郎の人生は類書により、ほぼ押さえているはずが、『今日一日之事』も改めて見返したい内容だった。再読棚からは外して、安田善次郎の類書棚に移動予定。2025/04/26
dexter4620
0
安田善次郎の現代版正史と言ってもよいと思うほどの名著。フラットな立場で同氏の歴史を紐解く。出会えて良かったと強く感じた。2020/10/27