内容説明
若者は今どのような困難に直面しているのか。キャンパスと病院を舞台にした青年期の物語。
目次
第1話 生きのびるための死
第2話 殺意の自覚
第3話 それは突然やってくる
第4話 窓
第5話 傷みの通過点
第6話 迷惑がられるのはイヤなんです
第7話 デクノボウの住みか
第8話 自分を取りもどす道
第9話 卒業まであと半年
第10話 いのちのバトン
第11話 夕暮れ
第12話 折れた向日葵
補章 事例小説―事例報告でも事例研究でもなく
著者等紹介
杉原保史[スギハラヤスシ]
教育学博士(京都大学)。京都大学カウンセリングセンター教授
高石恭子[タカイシキョウコ]
京都大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。甲南大学文学部教授・学生相談室専任カウンセラー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ほろ
3
誇張はある。わざと小説らしく文字をつづったものもある。 その中でも,体験をありありと,「ありのまま」書いてくれる筆者もあった。 何となく,カウンセラーの日常を知るにはちょうどいいかもしれない。初心者,一般人にとってはちょうどよいお話。2017/09/29
優しい月
3
カウンセリングの事例を扱った本の出版が出来なくなっているそう。この本んはカウンセラーが紡いだ物語。すべて大学生のカウンセリング。フィクションだとかノンフィクションだとかそういうことを超えて、真摯に悩める人に向かい合うカウンセリングの力を感じた。2016/05/02
永夢
3
カウンセリングの現場がどういうものかということが、事実をもとに書かれているからすごくわかりやすかった。カウンセリングの手法なんかは専攻の関係でよく聴くけれど、やっぱり相手がいることだから、技術だけを学んでも仕方ないよなとも思った。クライアントにとって一番そばにいてくれる人でいられたらいいんだろうか。2013/10/04
スタビライザー
3
個人的には1.4.5.6.9が面白かった。特に気になったのは4だろう。文章力自体も高かったし、そのクライアントの抱える苦しみが切に感じられた。彼は頑張らなかったから辛かったのではない。頑張りすぎたから苦しんでいるのだ。苦しいのになぜ生きねばならないのか、その問いに何と答えれば良いのかは分からない。だが、それでも生きていて欲しいと思うことは罪だろうか。もし、その人と遠く離れて会えなくなったとしても、互いに影響を与え合う。片方が先に死のうとも、残された者は影響を与えられ続ける。生きる事は苦しみに満ちている。2010/12/17
もと
1
京都市の図書館にはあまり専門書はないので、これを借りてみた。物語としても興味深かった。2021/12/05