Minerva日本史ライブラリー
日本陸軍と日中戦争への道―軍事統制システムをめぐる攻防

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  • サイズ A5判/ページ数 295,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623055241
  • NDC分類 396.21
  • Cコード C3321

内容説明

近年に至るまで、近代日本の陸軍はドイツをモデルとして統帥権独立制が導入され、参謀本部が陸軍省よりも実権をもっていた、と一般に信じられてきた。また、そのことが主な原因で、満州事変から日中戦争、そして太平洋戦争への道を歩んだ、とも見られてきた。本書はそうした通説を正面から批判する。とりわけ、1920年代後半から30年代前半の陸軍の組織と統制の実態に着目して、これまで使われていない陸軍軍人の日記や書類などの一次史料を用いてそれらを再検討し、陸軍大臣や陸軍省による陸軍統制が満州事変をきっかけに動揺し、日中戦争が全面化していった過程を解明する。

目次

序章 なぜいま、日本陸軍なのか
第1章 統帥権独立制と陸軍統制システムの形成
第2章 一九二〇年代の陸軍と二つの統制システム
第3章 満州事変と陸軍統制システムの動揺
第4章 陸軍の統制回復の試みと挫折
第5章 陸軍統制システムの破綻と日中戦争への道
第6章 中国から見た日本陸軍―一九三一~三七年
終章 陸軍統制の失敗から戦後へ

著者等紹介

森靖夫[モリヤスオ]
1978年兵庫県生まれ。2008年京都大学大学院法学研究科博士課程修了。現在京都大学大学院法学研究科助教。京都大学博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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バルジ

5
近代日本の陸軍というと「統帥権の独立」を盾に満洲事変以降暴走したという見方が一般的である。しかし本書はそうした俗説を排し、1920年代以降の政党内閣期を経て陸軍は内部統制をどう進めていたか、そして満洲事変以降それがどう崩れていたかを論じる。陸軍大臣の個人的な力量によって維持されてきた軍政優位の統制システムは、宇垣一成の退場と軍政官僚の人材不足によって南次郎という軍政経験の乏しい陸軍大臣の登場によって動揺を来す。その後荒木貞夫という「反軍政」大臣の登場によって陸軍の統制システムは完全に崩壊。2020/01/02

hurosinki

4
原政友会と山本内閣が陸軍省の権限を削ろうと画策した結果、陸軍は13年に「担任規定」を改定して、数多の権限(人事権や混成事項の起案権)を「軍政」から「軍令」へと避難させた。こうして制度的な軍政部門(陸軍省)の優勢は揺らいだが、依然として陸軍では陸相を頂点とする軍政エリートが人事権を握り、軍令部門(参謀本部)を下に敷いた。この陸相を中心とする「軍政」の「軍令」に対する優位は、政党内閣による陸相を通じた陸軍のコントロールを可能にした反面、制度的に保障されたものではないので、陸相個人のリーダーシップに依存した。2020/09/10

でん

1
林が天皇から信頼を得られなかったということが統制回復の大きな障害となったという点は非常に興味深かった。今後さらに深く読み込んでいきたい。2014/07/02

Takeshi Kubo

0
本書は、陸軍省(軍政)を中心とする陸軍の統制システムが、満洲事変〜華北分離工作を経て、崩壊していく過程について論じたものです。従来の見方では、満洲事変を契機として、現地の軍隊が国内の中央部を引きずった結果、日中戦争や日米戦争へと至ったという論理で説明されていました。しかし、本書では、満洲事変の後も林や長田といった軍政系軍人により、その統制システム立て直しが試みられていたという説が提唱されており、これは従来の見方とは大きく異なっております。私個人としては、この点が非常に興味深く感じます。2014/07/15

あまたあるほし

0
自分のクビをしめた宇垣が無惨である。陸軍を官僚組織として改めて分析した意義は大きい2010/05/26

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