出版社内容情報
高度成長期の日本社会における出郷者のネットワークのありようについて、阪神地域をフィールドとしたエスノグラフィックな手法から明らかにする。
内容説明
日本では第二次大戦以後に膨大な数の人々が都市へと定住するようになった。本書は、阪神間をフィールドとした都市のエスノグラフィーによって、そうした出郷者たちがどのようなネットワークを創り出し、同郷者集団といかなる関わりを持つことで都市人として生きてきたのかを明らかにする。
目次
第1部 出郷者のパーソナル・ネットワークと都市空間(都市と出郷者;都市の民族誌;「故郷」をともに想いながら多様化する人々―都市人としての出郷者と同郷者集団)
第2部 出郷者の町に生きる(高度成長期の出郷者と同郷団体―尼崎市の鹿児島県江石会の事例;移住形態の性差と同郷団体―関西内川内麦の芽会の事例;都市における県人会の設立と活動―尼崎高知県人会を中心に;複雑化する「結びあい」―兵庫県における沖縄出身者の生活実践;ひとつの場所/いくつかのシーサー―宝塚市における沖縄出身者と「沖縄」;出郷者と都市政治―県人会政治と政党化現象)
次なる出郷者たちの研究に向けて
著者等紹介
山口覚[ヤマグチサトシ]
1971年愛知県生まれ。2000年関西学院大学大学院博士課程単位取得修了、博士(地理学)。現在、関西学院大学文学部准教授。専門は都市社会地理学、労働力移動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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