内容説明
ボウルビーはもともと、子どもの臨床に関わる中からアタッチメントについての考えを進め、臨床領域での応用を目指していた。しかし、むしろ発達心理学の分野でアタッチメント研究は発展した。改めて現在、発達領域の知見と臨床現場の実践とが橋渡しされている。本書は、障害、虐待、精神病理、DV、児童福祉ケア、不登校など、様々な臨床活動の分野でのアタッチメント研究の成果を整理し、具体的な治療・介入について論じる。
目次
第1章 アタッチメント理論とその実証研究を俯瞰する
第2章 障害を持つ子どもにおけるアタッチメント―視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、ダウン症、自閉症
第3章 子ども虐待とアタッチメント
第4章 精神病理とアタッチメントとの関連
第5章 アタッチメント理論を応用した治療・介入
第6章 ストレンジ・シチュエーション法から見た幼児期自閉症の対人関係障碍と関係発達支援
第7章 児童福祉ケアの子どもが持つアタッチメントの問題に対する援助
第8章 不登校の長期化と母親のアタッチメント
第9章 ドメスティック・バイオレンス被害者へのアタッチメント理論によるサポート
第10章 臨床心理学にとってのアタッチメント研究
著者等紹介
数井みゆき[カズイミユキ]
茨城大学教育学部教授。メリーランド大学大学院応用発達心理学専攻。Ph.D.(1991年)。乳幼児のアタッチメントと親のアタッチメント表象の関連を夫婦関係、家族関係、ストレス等との関係で検討してきた。現在は、乳児院に入所している乳児のアタッチメントの問題とトラウマ反応に関して研究を行っている。子ども虐待防止活動にも取り組んでいる
遠藤利彦[エンドウトシヒコ]
京都大学大学院教育学研究科准教授。東京大学大学院教育学研究科併任准教授。東京大学大学院教育学研究科博士課程(教育心理学専攻)単位取得退学。親子関係・家族関係と子どもの社会情緒的発達との関連性に関心を有している。また、人の情動あるいは感情の仕組みや機能などについて、進化論的視点および文化論的視点から理論的考究を行っている。保育所の巡回相談活動や保育士・幼稚園教諭の研修などにも携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いとう
hanan
●
Fugusuke
讀。