内容説明
明治天皇(一八五二~一九一二、在位一八六七~一九一二)激動の幕末に一四歳で即位した時には、無力なシンボル的君主であったが、明治憲法ができる頃に政治権力を確立。憲法にふさわしい調停的な政治関与、絶妙のバランス感覚、頑固な性格、表と違う奥の生活など、これまで明らかにされてこなかった人物像を、新資料から描き出す。
目次
プロローグ―一四歳の少年天皇
第1章 ひとり立ちの不安と孤独
第2章 「大元帥」イメージの創出
第3章 極東の青年君主
第4章 立憲国家と明君の形成
第5章 初期議会の調停君主
第6章 日清戦争と大元帥の誕生
第7章 日露戦争の「栄光」と忍び寄る病
エピローグ―晩年の憂鬱と希望
著者等紹介
伊藤之雄[イトウユキオ]
1952年福井県大野市生まれ。1981年京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。京都大学大学院法学研究科・法学部教授。京都大学博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pudonsha
1
明治天皇の威信が高まるのは大津事件が起きたときに迅速な対応をしたあたりから。以降、日清・日露戦争などで微妙な判断を迫られたときも性急にはならずに、バランス感覚のある対応を行った。2017/07/19
増木貴史
0
時代の背景が分かりやすい。2016/02/28
そーだ
0
明治天皇に対して、一部の人間が勝手に推進した「明治維新」の象徴というイメージしか今までなかったが、そもそも維新がなぜ必要だったのか、推進した志士達とはどのような関係だったのか、そして明治天皇とは如何なる人物だったのかが資料を正確に使って詳細に記されている。自分の中の「明治」という時代(もしくは言葉)の印象も大分変わった。2012/10/15
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