内容説明
冷戦後、日本を取り巻く国際環境は大きく変化した。安全保障ではPKO協力法、新ガイドライン法、テロ対策特措法、イラク特措法が生まれ、自衛隊を海外派遣した。とくに小泉政権下ではかつてない迅速な政策決定がされたが、それはどうして可能だったのか。本書では、まず日本の対応を国際環境の変化に対する合理的選択として分析し、そこで謎として残った部分を国内政治過程分析で解明する。その後、日本外交の政治過程をアクター別に、官邸、外務省、防衛庁、政党、利益団体、メディア、世論の役割について、それぞれ実証的に分析し、冷戦後の日本における政治ダイナミクスの変化を浮き彫りにする。
目次
第1章 合理的選択としての対外政策
第2章 ブラックボックス分析で見た冷戦後の安全保障政策事例
第3章 対外政策の政治過程モデル
第4章 ブラックボックスを開けての事例分析
第5章 行政府におけるパワーシフト
第6章 現実路線の強まる政党
第7章 安全保障意識の高まる非政府アクター
終章 アクター間の相互作用
著者等紹介
信田智人[シノダトモヒト]
1960年京都生まれ。1994年ジョンズ・ホプキンス大学国際関係学博士号取得。国際大学研究所助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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