出版社内容情報
【内容】
学校の荒れ、学級崩壊が叫ばれる時代に、教育愛などという悠長なことを言って何になるのだという声が聞こえてきそうである。しかし、そうした時代であるだけに、即効性のある対策のマニュアル作りとは別に、子どもと教育者を結びつける根本の絆をふり返って考えてみたい。
親、教師の側の子どもに対する愛が本書の中心テーマであるが、時には子ども自身が身につけるべき態度としての愛についても述べている。教育愛とは大人が子どもにかかわっていく姿勢であると同時に、子どもが育んでいくべき価値なのである。
【目次】
序 章 教育愛とは何か
第1章 教育的人間関係
1 親―子関係、教師―生徒関係の歴史的形成
2 愛と権威の教育者像の限界とかかわりの類型
3 分かり合うという理想と対話
第2章 教育愛の考察
1 子どもへの愛と近代家族
2 シュプランガーおよびボルノーにおける教育愛の概念
3 真正さによる愛の類別
4 義務としての教育愛
5 愛、共感、導き
第3章 道徳とケアと教育愛
――ブーバー、レヴィナスから制度主義運動まで
1 ブーバーとレヴィナスの思想
2 ケア論
3 シャドウワークと真正の共同体
第4章 教育愛と教師の権威
はじめに:「子どもの側からの愛」と教師の権威
1 『エミール』における教師の術策について
2 自律を可能にする他律
――設問―応答―評価型会話と全体性の立ち上がりと教師の権威
[補遺] ヘゲモニー奪取と自律性確立の試み
第5章 個人主義をいかに乗り越えるか
1 愛は他者領域への侵犯たらざるを得ないか
2 ペア間の愛と共同体愛
3 個人主義、ナルシシズムの治療薬としての共同体愛
[補遺1] 新たな共同性はいかに旧来の共同性を超えていくのか
[補遺2] 愛の拡大原理と溶解原理
あとがき
索引
内容説明
教育愛こそ教育者と子どもを結びつける根本の絆である。学校の荒れ、子どもの荒れが語られる時代であるからこそこの根本を腰をすえて考える。
目次
序章 教育愛とは何か
第1章 教育的人間関係
第2章 教育愛の考察
第3章 道徳とケアと教育愛―ブーバー、レヴィナスから制度主義運動まで
第4章 教育愛と教師の権威
第5章 個人主義をいかに乗り越えるか
著者等紹介
岡田敬司[オカダケイジ]
1948年兵庫県に生まれる。1977年京都大学大学院博士課程(教育学)単位取得退学。1985年パリ第八大学教育学博士。現在、京都大学総合人間学部教授
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