出版社内容情報
【内容】
私たちは、アメリカから折に触れ国を揺るがされるような影響を受けてきたばかりでなく、衣食住からライフスタイルに至るまで、アメリカ文化の波に流されてきた。グローバル化=アメリカ標準化の功罪が論じられるいま、アメリカ文化に対する幅広い理解がなにより必要になっている。
本書は、歴史的背景をふまえながら、多様でダイナミックなアメリカ文化を総体的に捉えるための入門書である。現代アメリカの新しい情報満載! 巻末資料も充実!
【目次】
はしがき
アメリカ全国と地域区分
アメリカ地勢図
1 アメリカン・ドリーム(笹田直人・堀真理子・外岡尚美)
概 説
アメリカの夢
夢の要請
アメリカの起源
メタ国家としてのアメリカ
夢の西部
ナショナル・アイデンティティ
悪夢のアメリカ
キー・トピック解題
植民地の建設
アメリカ合衆国憲法
エイブラハム・リンカン
資本家の台頭
原典紹介
『華麗なるギャッツビー』
「独立宣言」
2 信仰とアメリカ国民の生活(朝日由紀子)
概 説
ピューリタニズムの抑圧と解放
モットーとしての神
キリスト教の内訳
そのほかの宗教
キー・トピック解題
ピルグリム・ファーザーズ
魔女狩り
大覚醒
ベンジャミン・フランクリン
原典紹介
『キリスト教の慈愛の模範』
『怒れる神の御手の内にいる罪人』
『ベンジャミン・フランクリンの自伝』
3 西部開拓の夢(笹田直人)
概 説
北西部条例
未知なる西部
西漸運動
ジャクソニアン・デモクラシーのインディアン政策
強制移住法と涙のトレール
「明白なる天命」の40年代
テキサス併合問題
米墨戦争
オレゴン問題
米墨戦争の終結
南北戦争への胎動
キー・トピック解題
ブーンとクロケット
キット・カーソン
バッファロー・ビル・コーディと女傑たち
ゴールドラッシュ
原典紹介
『ルイス&クラークの日誌』
『アメリカ史におけるフロンティアの意義』
4 移民の国アメリカ(伊藤 章)
概 説
イー・プルーラバス・ユーナム
年度別移民数と移民送出地域
移民法と移民政策の変遷
排外主義
移民の国アメリカの課題
キー・トピック解題
WASP
メルティング・ポットからサラダ・ボウルへ
多民族社会の影
メスティソ・アメリカ
原典紹介
『我が心のアメリカ』
『二世の娘』
5 奴隷制とアメリカ南部(笹田直人)
概 説
奴隷制の起源
アメリカ独立
南部大農園の奴隷
奴隷の反乱と逃亡
奴隷制度廃止論の興隆
逃亡奴隷法
南北戦争と奴隷制
再建期の南部とジム・クロウ法
キー・トピック解題
アメリカ南部というアイデンティティ
人種混淆/混淆
リンチ
ミンストレル・ショー
原典紹介
『南部の心』
『数奇なる奴隷の半生』
6 都市と経済(松本一裕)
概 説
フロンティアとしての都市
工業化の背後で
欲望の鏡としての都市
脱工業化と大移動
都市再開発とインナー・シティ
都市と人種問題
消費都市と不安の制度化
キー・トピック解題
ニューヨークとシカゴ
グレート・マイグレーション
ゲットー
アファーマティヴ・アクション
原典紹介
『シスター・キャリー』
「サニーのブルース」
7 ハイブラウとロウブラウ(金田由紀子)
概 説
エリート文化と大衆文化
社会体制と文化の形態
WASPと主流文化
多人種・多民族社会の声
大量消費社会と文化
キー・トピック解題
超越クラブとトランセンデンタリズム
ハリウッド映画
ハーレム・ルネサンスと音楽
ポストモダン・アート
原典紹介
「ぼく自身のうた」
8 冷戦とヴェトナム戦争期の対抗文化(山越邦夫)
概 説
東西冷戦構造と核の脅威
マッカーシズムからキューバ危機
泥沼化するヴェトナム戦争
時代を分けたケネディ対ニクソン公開討論テレビ中継
中流家庭の自由主義とビート世代の登場
「ニューフロンティア」と対抗文化
黒人公民権運動と学生運動の連携
学園紛争と反戦運動の1968年
若者文化を表象する音楽
キー・トピック解題
「封じ込め政策」――アメリカン・ライフの豊かさと閉塞感
マッカーシズム、20世紀の魔女狩り
サンフランシスコ発カウンター・カルチャー
ヴェトナムの傷を悼むアメリカ
原典紹介
「吠える――カール・ソロモンに捧ぐ」
「戦場からの手紙」
9 環境(野田研一・結城正美)
概 説
未知の大陸
楽園幻想
ウィルダネスとしての自然
楽園幻想の復活
保護される自然
環境というパラダイム
エコロジーの実践
幻想としての自然
キー・トピック解題
アメリカ的価値の源泉としての自然
風景画とピクチャレスクの時代
ネイチャーライティング
原生自然法
原典紹介
『ウォールデン』
『雨の降らない土地』
「自由と荒野、荒野と自由」
10 文化の変容(堀真理子)
概 説
人形ではない私
奴隷解放運動への婦人参加
禁酒運動から参政権運動へ
めざめた女たち
参政権獲得までの長い道のり
第二波のフェミニズム運動
同性愛者に対する差別の歴史
「差異」を主張する時代
キー・トピック解題
セネカフォールズの女性会議
カルチュラル・フェミニズム
ゲイ解放運動
ポスト・フェミニズムの時代
原典紹介
『女性と経済』
『エンジェルズ・イン・アメリカ』
11 マルチカルチュラリズム(辻内鏡人)
概 説
同化から文化相対主義へ
多文化主義の出現
西洋文明のみなおし
国民の歴史意識と政治的統合
新たな社会正義
アメリカ多文化主義の将来
キー・トピック解題
文化多元主義
アフリカ中心主義
文化戦争とポリティカル・コレクトネス
アイデンティティ・ポリティクス
原典紹介
『アメリカの分裂――多文化社会に関する所見』
『一つの国民、多数の民族――文化的相互依存性の宣言』(前文)
12 犯罪・暴力・抑圧(外岡尚美)
概 説
犯罪と貧困
暴力犯罪とジェンダー
人種と犯罪
銃と犯罪
銃と少年犯罪
自己防衛の実態
組織犯罪
マフィア
移民と組織犯罪
コカインカルテルと麻薬対策
犠牲者は誰か
キー・トピック解題
犯罪と人種・ジェンダー
銃規制と権利防衛の思想
アウトローからマフィア、少年ギャングまで
性暴力・ヘイトクライム・検閲
原典紹介
「奇妙な果実」
『薄暮:ロサンゼルス、1992』
「男がつくるエロスの氾濫に対して:検閲、ポルノグラフィ、平等」
13 身体文化(堀真理子)
概 説
男らしさの神話
ホワイト・ウェイ
スポーツ界における黒人の活躍
白人の「男らしい」肉体とは
モダンダンスの誕生
マドンナと「見られる身体」
シンディ・シャーマンとロバート・メープルソープ
ダイエットとエアロビ・ブーム
キー・トピック解題
大リーグ バスケのスーパースター、マイケル・ジョーダン
モダンダンスの旗手マーサ・グレアム
ポストモダンな時代の身体
原典紹介
「奮闘すべき人生」
『シューレス・ジョー』
グロッサリー
コラムで読むアメリカ事情
参考文献
歴史・文化年表
図版写真出典一覧
索引
内容説明
私たちは、アメリカから折に触れ国を揺るがされるような影響を受けてきたばかりでなく、衣食住からライフスタイルに至るまで、アメリカ文化の波に流されてきた。グローバル化=アメリカ標準化の功罪が論じられるいま、アメリカ文化に対する幅広い理解がなにより必要になっている。本書は、歴史的背景をふまえながら、多様でダイナミックなアメリカ文化を総体的に捉えるための入門書である。現代アメリカの新しい情報満載!巻末資料も充実。
目次
アメリカン・ドリーム
信仰とアメリカ国民の生活
西部開拓の夢
移民の国アメリカ
奴隷制とアメリカ南部
都市と経済
ハイブラウとロウブラウ
冷戦とヴェトナム戦争期の対抗文化
環境
文化の変容
マルチカルチュラリズム
犯罪・暴力・抑圧
身体文化
著者等紹介
笹田直人[ササダナオト]
1955年生まれ。明治学院大学文学部教授
堀真理子[ホリマリコ]
1956年生まれ。青山学院大学経済学部教授
外岡尚美[トノオカナオミ]
1960年生まれ。青山学院大学文学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。