Minerva社会福祉叢書<br> 日本型福祉国家の形成と「十五年戦争」

Minerva社会福祉叢書
日本型福祉国家の形成と「十五年戦争」

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  • サイズ A5判/ページ数 216,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623029099
  • NDC分類 364.021
  • Cコード C3336

出版社内容情報

【内容】
わが国における社会保障制度の形成過程と「十五年戦争」とのかかわりについての体系的研究書は皆無である。
本書は戦時下の社会保障の政策主体・厚生省の形成及び社会保障の有力制度の形成・発展について跡付ける。
厚生省、国民健康保険制度、労働者年金保険制度の創設そのものは戦時下日本の社会構造の急激なかつ巨大な変革であった。その変革過程は数多くの集団・個人の相互支援・葛藤の過程でもあった。筆者は、その変革過程の主役を「国家」「政府」「資本家階級」という抽象的な概念で把握するのでなく、より具体的な集団・個人に焦点をあてて分析することとした。それらの集団・個人は「陸軍省」、「内務省」、「逓信省」、「商工省」、「厚生省」、「近衛内閣」、「産業組合」、官僚たちなどであった。

【目次】
はしがき
第一章 戦争と社会保障
第二章 社会保障の政策主体の形成
    ・厚生省の創設
第三章 社会保障の有力制度の形成・
    ・国民健康保険制度の創設
第四章 社会保障の有力制度の形成・
    ・労働者年金保険制度・厚生年金保険制度の形成
終 章 命題群と最終命題
補論・ 日本型福祉国家の形成・発展過程の特徴と産業化
補論・ 竹中勝男の社会福祉理論の到達点とその限界
あとがき
参考文献・参考資料
人名・事項索引

内容説明

本書は、戦時下における社会保障の政策主体の形成及び社会保障の有力制度の成立・発展について跡づける。厚生省、国民健康保険制度、労働者年金保険制度の創設そのものは戦時下日本の社会構造の急激かつ巨大な変革であったが、筆者は、その変革過程の主役を「国家」「政府」「資本家階級」という抽象的な概念で把握するのではなく、より具体的に陸軍省、内務省、逓信省、商工省、厚生省、近衛内閣、日本医師会、産業組合、官僚たちなどの集団・個人に焦点をあてて分析することとした。

目次

戦争と社会保障
社会保障の政策主体の形成―厚生省の創設
社会保障の有力制度の形成(国民健康保険制度の創設;労働者年金保険制度・厚生年金保険制度の形成)
命題群と最終命題
日本型福祉国家の形成・発展過程の特徴と産業化
竹中勝男の社会福祉理論の到達点とその限界

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

6
1998年の本。資料的価値は高いと思います。しかし、戦前日本帝国主義の「15年戦争」(=侵略戦争)を資本主義国が行う戦争一般と同様に扱う分析枠組みには疑問が残りました。そして、戦後の日本の社会福祉(「福祉国家」)形成を「15年戦争」で形成された社会事業体制に求める論理も疑問に思いました。英国などの福祉国家戦略は、戦争という背景がありながらも民主主義的要求が国民レベルにあったからだと僕は思います。しかし、日本は絶対主義天皇制で国民要求をくみ上げる仕組みがどこまであったのかは疑問です。2014/02/18

Mealla0v0

3
15年戦争の時代に「福祉国家の骨格」が形成されたことを論証する。総力戦体制の構築にあたり、国民の生活も一定程度保障されるようになる。無論、それは国家の戦争遂行が目的であるにせよ。非常に細かい点まで詳細に検討されており、興味深い。2021/04/15

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