出版社内容情報
アインシュタインと並び称される今世紀最大級の理論物理学者ニールス・ボーアの代表的エッセイ集3巻を一書にまとめる。観測と実在をめぐる両巨人の論争を回顧した「原子物理学における認識論的諸問題に関するアインシュタインとの討論」をはじめ、量子力学のパラドキシカルな諸問題に先駆的な解釈をくだした現代物理学の記念碑的な著書である。
「ボーアに物理学者のなかでも比類のない地位を与えたのは、物理的現象の分析によって提起された問題のより深い論理的観点を追究しようとする衝動、さらにはその本質的特徴に対する超人的な直観、その最も広範な含意を一瞥のもとに把握する能力であった。」(レオン・ローゼンフェルト)
ボーアは、その恵まれた才能によって、量子論の誕生以来、原子物理学の悩みの種となっていた原理的問題に解決の道を拓いた。「自然記述」のありかたに新しい角度から光があてられ、自然について議論する土台が準備されたのである。自然記述をめぐるテーマは、長年にわたってボーアの最大の関心事となり、それが本書に収められたエッセイ集三部作として結実した。そこには、原子物理学における「自然記述」と「人間の知識(認識)」をめぐる主題が鋭利かつ明瞭に展開されている。
内容説明
アインシュタインと並び称される、20世紀の物理学者、ニールス・ボーアのエッセイ集三部作をまとめた一冊。観測と実在をめぐる二人の論争を回顧した「原子物理学における認識論的諸問題に関するアインシュタインとの討論」をはじめ、量子力学のパラドキシカルな諸問題に先駆的な解釈をもたらした、現代物理学の記念碑的な著作である。そこでは、「自然記述」と「人間の知識(認識)」をめぐるテーマが、鋭利かつ明瞭に展開されている。
目次
原子理論と自然記述(序論的な概観;原子理論と力学;量子の要請と原子理論の最近の発展 ほか)
原子物理学と人間の知識(光と生命;生物学と原子物理学;自然哲学と人間の文化 ほか)
続 原子物理学と人間の知識(量子物理学と哲学―因果性と相補性―;人間の知識の一体性;諸科学間の連関 ほか)
著者等紹介
ボーア,ニールス[ボーア,ニールス] [Bohr,Niels]
1885‐1962。デンマークの理論物理学者。コペンハーゲンに生まれる。コペンハーゲン大学で学んだ後、1911年イギリスに渡り、ケンブリッジ大学ではJ.J.トムソン、マンチェスター大学ではラザフォードのもとに学ぶ。1916年コペンハーゲン大学教授、1921年理論物理学研究所を創設し、初代所長、同研究所に世界各国の研究者を集め、量子力学の発展に指導的役割を果たした。1922年ノーベル物理学賞受賞
井上健[イノウエタケシ]
1921年大阪に生まれる。1941年京都大学理学部物理学科卒業。理学博士。京都大学名誉教授。2004年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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