出版社内容情報
アインシュタインと並び称される今世紀最大級の理論物理学者ニールス・ボーアの代表的エッセイ集3巻を一書にまとめる。観測と実在をめぐる両巨人の論争を回顧した「原子物理学における認識論的諸問題に関するアインシュタインとの討論」をはじめ、量子力学のパラドキシカルな諸問題に先駆的な解釈をくだした現代物理学の記念碑的な著書である。
「ボーアに物理学者のなかでも比類のない地位を与えたのは、物理的現象の分析によって提起された問題のより深い論理的観点を追究しようとする衝動、さらにはその本質的特徴に対する超人的な直観、その最も広範な含意を一瞥のもとに把握する能力であった。」(レオン・ローゼンフェルト)
ボーアは、その恵まれた才能によって、量子論の誕生以来、原子物理学の悩みの種となっていた原理的問題に解決の道を拓いた。「自然記述」のありかたに新しい角度から光があてられ、自然について議論する土台が準備されたのである。自然記述をめぐるテーマは、長年にわたってボーアの最大の関心事となり、それが本書に収められたエッセイ集三部作として結実した。そこには、原子物理学における「自然記述」と「人間の知識(認識)」をめぐる主題が鋭利かつ明瞭に展開されている。
-
- 洋書
- AU PLAN K