検閲官のお仕事

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  • サイズ 46判/ページ数 368p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622096634
  • NDC分類 023.8
  • Cコード C1022

出版社内容情報

「そもそも検閲とは何か?」 この問いに答えるのは簡単ではない。その理由の一つは、ある国家での検閲のありようが、別の国家のそれとは大きく異なるためだ。
この難問に向き合い、「検閲という現象」がもつ特徴を抽象すべく、ブルボン朝フランス、英領インド、東ドイツという三つの政治体制の検閲を題材に、おびただしい量の史料を渉猟してまとめあげ、優れた比較史研究として結実させたのが本書である。

「その物語はヴェルサイユの宮廷のゴシップをほのめかしているのではないか?」、「このサンスクリット語は、民衆を扇動しているのではないか?」、「あの小説には「社会主義的な党派性」が欠如していないだろうか?」――。本書の主役は、こうした解釈の問題に取り組んだ言論統制のエージェント一人ひとりである。
違法な書籍商を従えて禁書の取引をした警官、「現地語文学」の動向を仔細に読み込み監視する図書館員、現代の編集者や学術論文の査読者さながら著者と議論し、軽微な異端を見逃しつつ書物のクオリティに心を砕いた者たち……。史料に登場するこうした人物たちは、きわめて人間くさい関係性のなかで「お仕事」に従事していた。
書物を生み出す力の一つとして、検閲がその生産から流通に至るまで深く浸透していたことを示す、野心的歴史叙述。

内容説明

政治体制、思想、国際関係、経済事情、名誉…。さまざまな文脈が絡み合う。「検閲とは何か?」時代と場所の異なる三つの政治体制の比較に、その答えを求める。『猫の大虐殺』『革命前夜の地下出版』の著者、書物史の大家ダーントンによる、人類学的歴史分析!

目次

第1部 ブルボン朝フランス―特認と抑圧(活版印刷術と合法性;検閲官の視点;日常業務;問題事例;スキャンダルと啓蒙;図書警察;使用人宿舎に潜むある作家;流通システム―毛細血管と動脈)
第2部 英領インド―自由主義と帝国主義(アマチュア民族誌;メロドラマ;監視;扇動?;抑圧;法廷解釈学;さまよえる吟遊詩人たち;基本的な矛盾)
第3部 共産主義東ドイツ―計画と迫害(現地の情報提供者;文書館の内側へ;著者との関係;著者と編集者との交渉;過酷な実例;ある演劇―あの芝居を止めろ!;ある小説―出版と溶解処分;検閲の終わり方)

著者等紹介

ダーントン,ロバート[ダーントン,ロバート] [Darnton,Robert]
1939年ニューヨーク生まれ。専門は、書物の歴史、近代フランス史。ハーバード大学卒業後、オックスフォード大学でフランス史を専攻し、Ph.D(歴史学)取得。1968年から2007年まで、プリンストン大学で歴史学の教鞭を執る。2007年から2015年まで、ハーバード大学教授、およびハーバード大学図書館長を務め、現・名誉教授。著書に『禁じられたベストセラー―革命前のフランス人は何を読んでいたか』(近藤朱蔵訳、2005、新曜社。全米批評家協会賞受賞)などがある

上村敏郎[ウエムラトシロウ]
獨協大学外国語学部教授。ウィーン大学博士課程修了。Dr.Phil.筑波大学特任研究員を経て現職。専門は啓蒙期ハプスブルク史

八谷舞[ヤタニマイ]
亜細亜大学法学部講師。トリニティ・カレッジ・ダブリン博士課程修了(Ph.D.)。日本学術振興会特別研究員(PD)、東京大学助教を経て現職。専門は近現代アイルランド史、ジェンダー史、読書史、図書館史

伊豆田俊輔[イズタシュンスケ]
獨協大学外国語学部准教授。東京大学大学院総合文化研究科修了。博士(学術)。専門は東ドイツ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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紙狸

19
2023年刊行。18世紀のフランス、19世紀の英国植民地支配下のインド、共産主義独裁の東ドイツという、3つの権威主義的体制における検閲官の働きについて論じる。関心のある東ドイツの部分を読んだ。検閲を担当する省、省を指導する党の担当部、その上には党政治局ーというのが検閲する当局側の組織。作家、出版社の編集者も検閲を意識して仕事をしていた。作家・出版社が創造的で当局が弾圧していたといった単純な図式はあてはまらず、それぞれのポジションの人間がそれなりの願望や利害で動き、部分的な協力も成り立っていた。面白かった。2024/02/25

Mark.jr

5
・ディストピアものなんかでは、もうすっかりお馴染み感のある検閲官。その時代による仕事を辿った本です。 ・本が王様に捧げる高級品であった300年前のブルボン朝のフランスでは、文章の校正などの品質管理の仕事もやっていたというが、興味深い。 ・直近の時代として、社会主義下の東ドイツも取り上げられていますが。実は検閲官もできる限り本を出そうと四苦八苦していたというのが、一筋縄ではいかないというか、一体誰が幸せになる秩序なのかと思ってしまいます。2024/09/04

takao

2
ふむ2024/05/01

EasternCat10

1
R.ダーントン著、上村、八谷、伊豆田訳「検閲官のお仕事」読了 革命直前のブルボン朝フランス、インド大反乱からWW1直前までのインド帝国、70年代以降東ドイツを例に、検閲システムや、そこに現れる非公式的なネットワークを比較的に論じている。 ここで著者は検閲を出版システムの侵略者として論ずるのではなく、かと言って現代の事象と並べて相対化もしない。原題の副題からもわかるように、著者は検閲を出版システムの一形態と位置付けると同時に、権力が検閲を通し出版システム全体を規定していくという検閲像を提示している。 2024/11/05

水海 瞬

0
フランス革命前のブルボン朝、イギリス領時代のインド、東ドイツの3つの体制下の検閲の比較している。検閲は著者と検閲官の共犯関係が浸透していたと指摘(純然たる強制力で運営される体制は存在しない。どんな体制も筋金入りの信者が必要) 一方で、検閲をどこにでもあるものとして、相対化することを戒めている。「検閲とは本質的に政治的なものであり、国家が振りかざすものなのである」2024/10/06

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