出版社内容情報
〈熱力学の方法を、平衡はもとより非線形性や不安定性をも含むあらゆる現象へ拡張できないであろうか? ……新しい「構造」は常に不安定性の結果として出現する。すなわちそれはゆらぎから生じるものである。ふつうはゆらぎが生じると、系をもとの乱れのない状態に戻そうとする動きが続いて起るが、新しい構造が形成される場合には、反対にゆらぎは増幅される。……安定性の理論を不可逆過程の熱力学に結びつけ、ゆらぎの巨視的理論を包含する一般化された熱力学を作り上げなくてはならない。〉
散逸構造の理論で、1977年、ノーベル化学賞を受賞したプリゴジンの、グランスドルフとの共著による初期の著作。開放系に現れる構造の問題を、非平衡熱力学の立場から、物理学、化学、生物学について、統一的な観点からの説明を試みる。
内容説明
“熱力学の方法を、平衡はもとより非線形性や不安定性をも含むあらゆる現象へ拡張できないであろうか?…新しい「構造」は常に不安定性の結果として出現する。すなわちそれはゆらぎから生じるものである。ふつうはゆらぎが生じると、系をもとの乱れのない状態に戻そうとする動きが続いて起るが、新しい構造が形成される場合には、反対にゆらぎは増幅される。…安定性の理論を不可逆過程の熱力学に結びつけ、ゆらぎの巨視的理論を包含する一般化された熱力学を作り上げなくてはならない。”散逸構造の理論で、1977年、ノーベル化学賞を受賞したプリゴジンの、グランスドルフとの共著による初期の著作。開放系に現れる構造の問題を、非平衡熱力学の立場から、物理学、化学、生物学について、統一的な観点からの説明を試みる。
目次
第1部 一般論(保存則と釣合いの式;熱力学第2法則とエントロピーの釣合いの式;不可逆過程の線形熱力学;熱力学的平衡に関するギブス‐デュエムの安定性理論;熱力学的平衡の安定性に関する一般論;非平衡状態の熱力学的ならびに流体力学的安定条件;非平衡状態に対する安定条件の具体的表式;安定性とゆらぎ;時間発展の一般規準)
第2部 変分法と流体力学への応用(局所ポテンシャル;静止流体における安定性問題;層流の安定性問題に対する局所ポテンシャルの応用;有限振幅波の安定性)
第3部 化学過程(化学反応における時間秩序;化学反応における空間秩序と散逸;多重定常状態;物理法則の統一性とその記述の諸段階)
著者等紹介
グランスドルフ,P.[グランスドルフ,P.] [Glansdorff,Paul]
1904‐1999。ベルギーの物理学者。専攻、流体力学、熱力学
プリゴジン,I.[プリゴジン,I.] [Prigogine,Ilya]
1917‐2003。1917年モスクワに生れる。ブリュッセル自由大学卒業。ブリュッセル自由大学物理化学科教授、ソルヴェー国際物理化学研究所長、テキサス大学統計力学・熱力学研究センター所長を歴任する。非平衡熱力学、特に散逸構造理論への貢献によって、1977年ノーベル化学賞受賞。2003年歿
松本元[マツモトゲン]
1940年東京生れ。1964年東京大学理学部物理学科卒業。理学博士。元理化学研究所脳科学総合研究センターグループディレクター。2003年歿
竹山協三[タケヤマキョウゾウ]
1939年東京生れ。1963年東京大学工学部応用物理学科卒業。工学博士。中央大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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