出版社内容情報
ブラジル郊外の都市にあるヴィータという保護施設に入所しているカタリナという女性の人生を手がかりに、生とは何かを描いた民族誌。一日中黙って下を向いて座っている者、何かをぶつぶつ喋りつづける者、「元・人間」たちが収容されたヴィータの中で、夫や子供や親族から見捨てられたカタリナは手帳に言葉を綴る…それは主体を取り戻す戦いの物語であった。棄てられた者たちの生きられた経験を多角的に描き数々の賞を受賞した、人類学者の比類なき書。
内容説明
社会から見殺しにされた人々が死を待つ、ブラジルの施設「ヴィータ」。そこに暮らす一女性と人類学者との人間的交流が生んだ民族誌。「人間」を選別する権力構造を暴く。周縁化された人々の生きられた経験を復元し更新し続けるために、現代において人類学の果たすべき使命は何かを問い直す話題作。本書は、マーガレット・ミード賞ほか数々の賞を受賞した。
目次
第1部 ヴィータ
第2部 カタリナと文字
第3部 医療記録
第4部 家族
第5部 生物学と倫理
第6部 辞書
著者等紹介
ビール,ジョアオ[ビール,ジョアオ] [Biehl,Jo^ao]
南ブラジルで生まれ育つ。ブラジルで神学とジャーナリズムの学士号および哲学の修士号を取得したのち、1999年にカリフォルニア大学バークレー校で文化人類学の博士号を取得。1996年にはカリフォルニア州バークレーにある宗教学総合研究センターで宗教学の博士号を取得。専門は医療人類学。1998‐2000年には博士研究員としてハーヴァード大学に所属。現在はプリンストン大学人類学部教授および同大学の「グローバル・ヘルスと健康政策」プログラムの事務局長およびブラジル研究所の事務局長を務める
桑島薫[クワジマカオル]
シカゴ大学大学院修士課程、東京大学大学院博士課程修了。現在、名城大学経営学部准教授。博士(学術)。文化人類学専攻
水野友美子[ミズノユミコ]
ロンドン大学ゴールドスミス校大学院修士課程、一橋大学大学院修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Willie the Wildcat
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ぴーまん
aof
Y.Yokota