中国はここにある―貧しき人々のむれ

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中国はここにある―貧しき人々のむれ

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  • サイズ B6判/ページ数 304p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622087212
  • NDC分類 926
  • Cコード C0098

出版社内容情報

近代化の影で衰退する農村。問題の本質を浮かび上がらせ、大きな感情のうねりを呼んだ傑作ノンフィクション文学。人民文学賞受賞。近代化の矛盾に苦しむ農村に、現代中国の姿を浮かび上がらせ、大きな感情のうねりを呼んだノンフィクション。人民文学賞ほか受賞多数。

都市の繁栄の陰で荒廃する農村。農業だけでは暮らせない人々が出稼ぎにゆき、ほとんど帰らない。老人は残された孫の世話で疲弊し学校教育も衰退した。子供は勉強に将来の展望をみない。わずかな現金収入を求めて出稼ぎに出る日を心待ちにする。
著者は故郷の農村に帰り、胸がしめ付けられるような衰退ぶりを綴った。孤絶した留守児童が老婆を殺害強姦。夢はこの世で最も悪いものと自嘲する幼馴染。夫の長期出稼ぎ中に精神を病む妻。「農村が民族の厄介者となり…病理の代名詞となったのはいつからだろう」。希望はないのか。著者は農村社会の伝統にその芽をみる。
底辺の声なき人々の声を書きとめようとする知識人のジレンマに、著者も直面する。しかし敢えて自分に最も近い対象を選び、書くことの困難にうろたえる自身の姿を読者に隠さない。こうして紡がれた語りに、農民も都会人も没頭した。第11回華語文学伝媒大賞「年度散文家」賞、2010年度人民文学賞、2010年度新京報文学類好書、第7回文津図書賞、2013年度中国好書受賞。

まえがき
第一章 私の故郷は梁庄
第二章 活気あふれる「廃墟」の村
第三章 子供を救え
第四章 故郷を離れる若者たち
第五章 大人になった閏土
第六章 孤立する農村政治
第七章 「新道徳」の憂い
第八章 故郷はいずこに
あとがき

訳者あとがき

梁鴻[リアンホン]
著・文・その他

鈴木将久[スズキマサヒサ]
翻訳

河村昌子[カワムラショウコ]
翻訳

杉村安幾子[スギムラアキコ]
翻訳

内容説明

都市の繁栄の陰で荒廃する農村。農業だけでは暮らせない人々が出稼ぎにゆき、ほとんど帰らない。老人は残された孫の世話で疲弊し学校教育も衰退した。子供は勉強に将来の展望をみない。わずかな現金収入を求めて出稼ぎに出る日を心待ちにする。著者は故郷の農村に帰り、胸がしめ付けられるような衰退ぶりを綴った。底辺の声なき人々の声を書きとめようとする知識人のジレンマに、著者も直面する。しかし敢えて自分に最も近い対象を選び、書くことの困難にうろたえる自身の姿を読者に隠さない。こうして紡がれた語りに、農民も都会人も没頭した。第11回華語文学伝媒大賞「年度散文家」賞、2010年度人民文学賞、2010年度新京報文学類好書、第7回文津図書賞、2013年度中国好書受賞。

目次

第1章 私の故郷は梁庄
第2章 活気あふれる「廃墟」の村
第3章 子供を救え
第4章 故郷を離れる若者たち
第5章 大人になった閏土
第6章 孤立する農村政治
第7章 「新道徳」の憂い
第8章 故郷はいずこに

著者等紹介

梁鴻[リアンホン]
中国人民大学文学院教授。1973年生まれ。北京師範大学文学博士。米国デューク大学客員教授、中国青年政治学院中文学院教授を経て現職。本書の舞台である農村に生まれ、20歳までそこに暮らす。『中国はここにある―貧しき人々のむれ』で第11回華語文学伝媒大賞「年度散文家」賞、2010年度人民文学賞、2010年度新京報文学類好書、第7回文津図書賞、2013年度中国好書など多数の賞を受賞

鈴木将久[スズキマサヒサ]
1967年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。博士(文学)。明治大学政治経済学部、一橋大学言語社会研究科を経て、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。専門は中国近現代文学

河村昌子[カワムラショウコ]
1969年生まれ。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程修了。博士(人文科学)。千葉商科大学商経学部を経て、明海大学外国語学部中国語学科教授。専攻は中国近現代文学

杉村安幾子[スギムラアキコ]
1972年生まれ。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程単位取得満期退学(修士)。現在、金沢大学国際基幹教育院教授。専攻は中国近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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まーくん

101
原題『中国在梁庄』。都市の繁栄の陰で荒れ果てていく農村。農村が民族の厄介者となり、貧困と病理の代名詞となったのは何時からであろうか?文学研究の大学教授となり北京に暮らす著者梁鴻は、20歳までを過ごした河南省の生まれ故郷梁庄を訪ね、村の実情や歴史を知るため大勢の人々へ聴き取りを重ねる。村には餓死者も出した苦しい時代や”改革開放”の始まりにより一時の小康を得た時代もあったが、今や若者は繁栄を謳歌する都市へ出稼ぎに行き、村には孫の世話をする老人や精神を病んだ人だけが残されている悲しい現実を目の当たりにする。2021/09/05

藤月はな(灯れ松明の火)

93
嘗ては中国の基盤だった農民たち。しかし、今や、時勢に切り捨てられてしまった彼ら彼女らの生活は、暗澹としている。作者が帰郷した時、人のいなくなった村の家々が如何に寂れていったのかを目の当たりにした時の衝撃が印象深い。嘗て、賑わっていた風景を知っているだけにその荒廃ぶりが身につまされる。そして語りに対し、村の出身でありながら都市でインテリとして住む為に「部外者」と位置づけられてしまう作者の意識との差は余りに深い。同時に「もし、彼女が村にいたままだったら村民達は彼女にあんなに語っただろうか」とも思ってしまうのだ2018/11/22

星落秋風五丈原

33
GDPが日本を抜いて世界2位というけれどここで紹介される農村は富裕のイメージとは真逆の中国。中国人民全てが豊かな暮らしをしているわけではなく格差がこれだけある。不満が噴き出したらこの国はどうなるのか?著者が故郷の人々にインタビューした内容を元に中国全土の普遍的な問題に迫る。2018/11/01

Sakie

19
原題「中国在梁庄」。著者は居住している北京から、故郷河南省鄧州市の農村へ里帰りし、研究の一環として村の人々に聴き取りをする。3つの時代が対比的だ。1960年頃、家族が餓死することが珍しくなかった時代を経て、美しい自然の中で貧しいながらも作物を育て、宗族が協力して生きた時代、そして現金収入を得るために一家離散し、人とのつながりや文化が分断する現代。著者が典型的な農民、表情の乏しさと呼ぶものが、彼らが致し方ない辛苦をやり過ごす力、裏返せば生命力の表れであると考えることができるものか、じっくり反芻してみたい。2021/08/21

BLACK無糖好き

19
中国文学の研究者である著者が、河南省の故郷の農村で、身近な人たちへのインタビューを軸に、中国の農村が直面している状況などを描いている。中国の現実では、農民は政治的にも文化的にも社会の厄介者で、忘れられた存在とのことだが、一方で、農村での暮らしは伝統、文化、道徳と、その土壌に深く根を下ろした数千年の民族の生活と深く結びついたものが内包されており、社会のあり方に安易に帰結するものでもないという。問題解決の道筋を制度的な面から模索するのではなく、普遍的な視点から捉えた所が本書が評価された所以だろうか。2018/11/21

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