出版社内容情報
古関彰一[コセキショウイチ]
著・文・その他
内容説明
沖縄が「基地の島」になったのは、日米両国の思惑によって「無憲法の島」に追いやられたからだ。その歴史と論理を、憲法と外交史の双方向から解き明かす。
目次
第1章 国籍を奪われた沖縄(日本国憲法上の「国民」とは?;日本の主権と沖縄;代表権・選挙権を奪われた沖縄)
第2章 講和条約第三条と安保条約―「犠牲の要石」としての沖縄(講和条約第三条の成立過程;アメリカの太平洋安保構想;ANZUS・米比・日米、そして「琉球」の米軍)
第3章 「三条失効」論(先例としての「奄美返還」;三条をめぐる国会論戦;国連加盟と岸訪米)
第4章 沖縄の法的地位と「植民地」問題(翻弄される沖縄;国連決議と三条の「死文」化;「政府統一見解」と沖縄返還)
終章 「閉塞状態」の打破に向けて(沖縄から問われる日本の近代;「共通敵」なき時代の沖縄)
著者等紹介
古関彰一[コセキショウイチ]
1943年生まれ。早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了。獨協大学名誉教授、和光学園理事長。専攻、憲政史。著書『新憲法の誕生』(中央公論社1989、吉野作造賞受賞、中公文庫1995)他
豊下楢彦[トヨシタナラヒコ]
1945年生まれ。京都大学法学部卒。元関西学院大学法学部教授。専攻、外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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風に吹かれて
13
暫定統治を定めたサンフランシスコ講和条約三条。独占的に無条件に使用できる恒久基地を求める米国に沖縄返還を求めなかった日本。膨大な米国の公文書、両国の国会の記録などを踏まえ、「沖縄の意味」を浮き彫りにする。日本を犠牲にして米国を守っても米国を犠牲にしてまで日本を守るとは思えない日米安保条約。トランプの核の傘を信じるのは無理だと思う。武器商人トランプからどんなに防衛装備品を購入しても、数十発の通常ミサイル攻撃を受けでもしたら原発を多数抱えている日本がどうなるか想像するまでもない。行くべき道は明らかだと思う。2018/08/08
Y_Kuroyanagi
0
20181218ー201901022019/01/02
健康平和研究所
0
サンフランシスコ講和条約三条の問題。戦後、日本が国連に加盟して、沖縄をアメリカが統治する根拠が薄くなったのに、岸首相は返還を求めず、返還を実現した佐藤首相も密約で対処し、”国連カード“を利用しなかったのでアメリカに”梯子を外される“ 268頁2018/04/26