憲法9条へのカタバシス

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  • サイズ A5判/ページ数 224p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622086734
  • NDC分類 323.142
  • Cコード C1032

出版社内容情報

ローマ法の碩学がクリアに見透す9条の構造。ストレートな9条論、圧巻の漱石論・?外論(書き下ろし)、通説を覆すホッブズ論まで。憲法9条とりわけ2項をどう解釈すればいいのだろうか。今まで一度も真に理解しないまま、粗雑な議論で花芽を摘んでいいはずがない。カタバシスは「下降行」、転じて、冥府に降り、過去の人物に遭うこと、さらに転じて、時間軸を遡ることをいう。タイムトンネルをくぐり、明晰に著者は立論する。
9条は、パリ不戦条約が自衛権留保によって空洞化したという苦い歴史的経験の上に立つものであった。自衛概念の危険性は、ホッブズが遙かトゥーキュディデースの書物を最深部まで読み込み、その克服の見事なロジックを組み上げたものであった。
〈こうして、既に9条1項は、一見不戦条約をそのまま継承するものに見えて、自衛のための戦争をも否定する〉〈2項はさらに、占有線を越えない実力形成といえども内部をトータルに軍事化して他国の軍事化に対抗し抑止力(報復力)を得るものであればこれを禁ずる趣旨である。これが自衛権拡張の主要なヴィークルだからである〉そして〈政治システム存立にとって不可欠の原則を宣明したこれらの規定は憲法に不可欠であり、削除することは政治システムの破壊に等しいから、改正は違法である〉

精緻にしてストレートな9条論、ソクラテス・メソッド(対話)を駆使して説く憲法改正問題、近代市民社会の基底を問う圧巻の漱石論・?外論(書き下ろし)から、自衛戦争を正当化したとされる通説を鮮やかに覆すホッブズ論まで、ローマ法を専門とする碩学がクリアに見透す9条の構造。

序――日本国憲法9条の政治的弁証に向けて
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1 日本国憲法9条2項前段に関するロマニストの小さな問題提起
  1 問題
  2 若干の迂回
  3 問題の置き換え

2 法学再入門:秘密の扉 ぜんべえドンとオハナぼう、番外篇――ポンポコ山に憲法改正の危機
  事態を見つめよう
  誰のものでもない
  ポンポコ山の桃太郎
  まず落ち着いて徹底的に解剖しよう
  自分が座っている椅子を自分で蹴飛ばしてはいけません

3 知性の尊厳と政治の存亡――三谷太一郎『人は時代といかに向き合うか』

4 政治はどこにあるか

5 夏目漱石『それから』が投げかけ続ける問題
  0 序
  1 ジャンル
  2 設定
  3 問題
  4 問題の変幻、「胡麻化し」の先送り
  5 問題のトポグラフィー
  6 ?changeの連鎖
  7 「胡麻化し」の深層
  8 二つの自然
  9 壁
  10 エピローグ

6 森?外と「クリチック」
  0 序
  1 考証学
  2 「クリチック」
  3 江戸末期考証学者たちのlibertinage
  4 自律的知的階層
  5 文芸化の脈絡
  6 小さな分岐
  7 お玉
  8 安寿
  9 結

7 Hobbes, De civeにおけるmetus概念
  0 序
  1 政治(公権力)形成の直接の土台
  2 基層たる概念構成
  3 Thoukydides
  4 Hobbes再解釈の試み

8 日本国憲法9条改正の歴史的意味
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  2
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あとがき
索引

木庭 顕[コバアキラ]
著・文・その他

内容説明

精緻な9条2項論、ソクラテス・メソッドを駆使して説く憲法改正問題、近代市民社会の基底を問う圧巻の漱石・鴎外論、通説を鮮やかに覆すホッブズ論まで、ローマ法学者が見透す9条の構造。

目次

序―日本国憲法9条の政治的弁証に向けて
1 日本国憲法9条2項前段に関するロマニストの小さな問題提起
2 法学再入門:秘密の扉 ぜんべえドンとオハナぼう、番外篇―ポンポコ山に憲法改正の危機
3 知性の尊厳と政治の存亡―三谷太一郎『人は時代といかに向き合うか』
4 政治はどこにあるか
5 夏目漱石『それから』が投げかけ続ける問題
6 森鴎外と「クリチック」
7 Hobbes,De civeにおけるmetus概念
8 日本国憲法9条改正の歴史的意味

著者等紹介

木庭顕[コバアキラ]
1951年、東京に生まれる。1974年、東京大学法学部卒業。東京大学名誉教授。専門はローマ法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふら〜

3
小論文の集成、そしてそこから憲法9条、特に2項の淵源・込められた意図を解き明かす。木庭ゼミに迷い込んだと錯覚するような(いやまあ木庭ゼミ受けた事ないんだけどね、というかこの本を読んで真理を求める峻厳さに恐らくやはり耐えられないだろうなという認識を強めたところであるが)論理構成。じっくり読むに値する本ではないだろうか。2023/01/12

むっち

3
じっくり読んで見てください。そして、憲法9条が、もともと自衛権概念すら拒否し、自衛のための戦争をしないための戦力の不保持ということにこそ、失敗した不戦条約の反省のもとにあった法理だということを再確認することから始める必要があると感じた。おそらく今の政治家やいまの憲法かえるべきかという議論をしている人たちが読んでも一蹴してしまう議論なんだろうが、平和を享受している状態の中で9条を持っている日本国民にしかできない選択があるということを忘れないことは日本が世界に記憶されるために必要ではないだろうか。2019/05/05

takao

2
ふむ2025/06/29

cochou

1
夏目漱石とは違う方法でギリシャ・ローマ・近代につながろうとする森鴎外を知った。森鴎外は何度か挫折しているのでもう一度チャレンジ。2024/11/25

ただの人間

0
占有概念を起点に9条やそれと広く社会レベルで関連する論点を取り扱う。いかに実力、自力救済に制限をかけるかというグロチウスなどの歴史的淵源は非常に明確にされていた。さらに、実力、自力救済と社会の質との関連についても言及されていた。実力や自力救済といった問題を民事法よりは認識しやすいからか、書籍全体を通底する問題意識はローマ法案内やカタバシス(旧版)よりも捉えやすいと感じた2018/10/31

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