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出版社内容情報
20世紀の多くの破壊行為と社会変動のあいだに、「トラウマ」という言葉は臨床医学の枠を超えてわれわれの日常にも溢れるようになった。
かつて「トラウマ」という言葉は身体的な意味で用いられており、日常会話では身体への殴打を、医学においては殴打による身体への病理的な影響を指していた。本書は
内容説明
本書は、トラウマがなぜ心の傷を表わすものとして社会に浸透し、いかに欧米社会を混乱に陥れてきたのかを明らかにするものである。戦争、災害、事故―。未曾有の外傷的出来事に襲われた後、われわれは何を作りなおし、何を語り継がなくてはならないのだろうか?トラウマ研究の決定版にして新たな端緒となる、学問分野を超越した重要文献。
目次
トラウマ、精神医学、歴史―概念と歴史記述の方法論についての序論
第1部 ビクトリア時代の旅行とトラウマ(鉄道事故―一九世紀英国における列車、トラウマ、技術の危機;米国黄金時代の列車とトラウマ)
第2部 福祉国家黎明期の労働、事故、トラウマ(出来事、累積、トラウマ―一九世紀末から二〇世紀初頭にかけての確率論的な精神の革新;トラウマの言説としてのドイツ福祉国家)
第3部 トラウマ理論の発展 二〇世紀初頭の近代化と精神医学(シャルコーとトラウマ神経症―一九世紀後期フランスのトラウマ理論における医学と文化;トラウマ神経症から男性ヒステリーへ―オッペンハイムの凋落 一八八九‐一九一九年;一九世紀末から二〇世紀初頭にかけての米国精神医学における助成の性的トラウマの成立)
第4部 第一次大戦におけるショック、トラウマ、精神医学(「なぜ彼らは治らないのか?」第一次大戦における英国のシェルショック治療;第一次世界大戦期イタリアにおける精神科医、兵士、士官;神経との闘い―第一次世界対戦期フランスにおけるにおけるヒステリーとその治療;見えない傷―一九一二‐一四年のアメリカ在郷軍人会、シェルショックを持つ退役軍人、アメリカ社会)
著者等紹介
金吉晴[キンヨシハル]
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所成人精神保健研究部部長。精神科医。1984年京都大学医学部卒。ロンドン精神医学研究所などを経て、現職。1997年厚生大臣表彰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nranjen
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和泉花
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