日本の長い戦後―敗戦の記憶・トラウマはどう語り継がれているか

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622086215
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0036

出版社内容情報

憲法改正、領土問題、歴史認識問題はなぜ、こんなにも軋轢を招くのか。アメリカで教える気鋭の社会学者が比較文化の視点から、日本の「敗戦の文化」を考察する。
私たちが家族、学校、メディアをとおして触れる戦時の物語は多様だ――戦場で英雄だった祖父、加害の体験を話さずに逝った父、トラウマを解消できない被害者たち。それらの記憶は、史実に照らして見直されることなく共存し、家族内では、調和が最優先される語りが主観的に選び取られる。
高校の歴史教科書・歴史漫画の分析からは、なぜ若い世代が自国に自信をもてないか、その理由が見えてくる。
そしてメディアは、記憶に政治色をつけながら、それぞれ違う物語を映し出す。
戦後70年を過ぎた今、不透明な過去に光を当て、問題の核心に迫る。

内容説明

憲法改正、領土問題、歴史認識問題はなぜ、こんなにも軋轢を招くのか。アメリカで教える気鋭の社会学者が比較文化の視点から、日本の「敗戦の文化」を考察する。私たちが家族、学校、メディアをとおして触れる戦時の物語は多様だ―戦場で英雄だった祖父、加害の体験を話さずに逝った父、トラウマを解消できない被害者たち。それらの記憶は、史実に照らして見直されることなく共存し、家族内では、調和が最優先される語りが主観的に選びとられる。高校の歴史教科書・歴史漫画の分析からは、なぜ若い世代が自国に自信をもてないか、その理由が見えてくる。そしてメディアは、記憶に政治色をつけながら、それぞれ違う物語を映し出す。戦後70年を過ぎた今、不透明な過去に光を当て、問題の核心に迫る。

目次

第1章 敗戦の傷跡と文化的記憶(文化的トラウマ、記憶、国民アイデンティティ;戦争の記憶をめぐる三つの道徳観とその語り ほか)
第2章 個人史と家族史を修復する記憶(戦中世代の証言;語らない親との対話―溝を埋め、傷を癒す ほか)
第3章 敗北感の共有とその位置づけ―メディアのなかの英雄、被害者、加害者の物語(政治パフォーマンスとしての追悼;追悼の季節の文化メディア ほか)
第4章 戦争と平和の教育―子供にどう第二次世界大戦を教えるか(上からの歴史―教科書のなかの戦争と平和;下から見た歴史―「学習漫画」のなかの戦争と平和 ほか)
第5章 敗戦からの回復とは何か―他国との比較から(敗戦の文化を乗り越える―道義的回復に向けた三つの展望;和解のグローバル・モデルはあるのか ほか)

著者等紹介

橋本明子[ハシモトアキコ]
1952年東京生まれ。幼少期・青年期をロンドン、東京、ハンブルクで過ごす。1975年、ロンドン大学(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)社会学部卒業。東京のソニー本社勤務を経て渡米。1984年、イェール大学大学院社会学部博士号取得。東京の国連大学本部勤務を経てふたたび渡米。1989年以降、ピッツバーグ大学社会学部で教鞭をとる。現在、米国ポートランド州立大学客員教授、イェール大学文化社会学研究所客員研究員を兼任

山岡由美[ヤマオカユミ]
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。出版社勤務を経て翻訳業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

85
著者は戦後1952年、東京生まれ。幼少期・青年期をロンドン、東京、ハンブルクで過ごし、現在、米国で教鞭をとる。原書は英文。経済企画庁が1956年の経済白書で「もはや戦後ではない」と宣言したように、経済面では戦後10年で荒廃からの復興はなったが、政治や文化を含む精神面では、敗戦の影響を長く引きずった。いや戦後70年以上たった現在においても敗戦の清算は済んでいない。日本人がいまや避けて通れない歴史認識問題。「あの戦争」をどう見るか?①戦争と敗戦を勇敢に戦って戦死した英雄の話としてとらえる視座。⇒2022/09/03

molysk

48
敗戦の記憶を長く引きずる日本の戦後。忌まわしい過去を乗り越えるため、日本人は戦後どのようなアイデンティティを育み、戦争の物語を新たに作り直してきたのか。戦争の記憶は一つにまとめられているというよりは、多種多様に並立しており、「英雄」の語り、「被害者」の語り、「加害者」の語りに分類できる。これらの立場は、過去の清算のためのアプローチとして、それぞれ「ナショナリズム」「平和主義」「国際協調(和解)主義」を主張する。日本は、これらの主張の間に何らかの妥協点を見出し、新たなアイデンティティを構築する必要がある。2020/12/19

おさむ

40
アメリカ在住の社会学者だけに、その視座は客観的かつ多層的です。我々が戦後作り上げた「敗戦の文化」は英雄、加害者、被害者という3つの異なる考え方が幾重にも混ざり合い、形成されている。それは美しい国、やましい国、悲劇の国としての記憶とも言える。誰もが受け入れられる単一で確実な歴史を描くことはだんだん不可能になっている。だから戦後世代は自分達も親と同じ全体主義国家に暮らしていたら抵抗する強さはないと感じ、無力感無関心が広がり、没政治的なものの見方に取り込まれた、とする解釈は説得力があります。読み返したい良書。2018/01/23

きいち

40
この引いた目線こそ、今必要なもの。読んでよかった。◇敗戦という過去の経験を我々はどう解釈し、今の判断へとつなげているのか。筆者はそれを、英雄の語り・被害者の語り・加害者の語りの3つに類型化し、それぞれを国家主義・平和主義・国際協調主義へと結びつける。後者二つの違い、感情を解きほぐすには有効だ。歴史認識は感情の問題。◇「正義の戦争などない」「国家は国家の理屈で動くから盲信するな」。多くの日本人が持つ、相対主義的で現実的なこの考えの源が明らかに。そう、こうやってわかったうえで、戦略として改めて選び取ればいい。2018/01/21

おかむら

38
日本人はあの戦争(こてんぱんに負けた)をどう語り継いできたのか。被害者として加害者として英雄としての3分類に分けて考察。著者はアメリカ在住の社会学者。日本の外から見てるため、日本に住んでるともやっとする現状がとてもよく理解できた。同じ敗戦国ドイツの事情も興味深い。今後どういう国になっていくのかも(過去の清算アプローチ)、平和主義、国際協調主義、国家主義とそれぞれの立場を解説。平和主義に加害者の視点が入ってないなどなるほどなー!そして英雄語りが増えてる昨今もなるほどなー!安倍の方向に不安ある人は読んでみて。2018/05/26

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