マイ・アントニーア (新装版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622086093
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

舞台は19世紀後半のアメリカ中西部。ネブラスカの大平原でともに子供時代を過ごしたこの物語の語り手「ぼく」と、ボヘミアから移住してきた少女アントニーア。「ぼく」はやがて大学へ進学し、アントニーアは女ひとり、娘を育てながら農婦として大地に根差した生き方を選ぶ。開拓時代の暮しや西部の壮大な自然を生き生きと描きながら、「女らしさ」の枠組みを超えて自立した生き方を見出していくアントニーアの姿を活写し、今なお読む者に強い印象を残す。
著者のウィラ・キャザーは20世紀前半の米文学を代表する作家のひとりであり、その作風は後進のフィッツジェラルドなどに影響を与えた。アメリカで国民的文学として長く読み継がれてきた名作を親しみやすい新訳で贈る。


第一部 シメルダ一家
第二部 働きにでた娘たち
第三部 リーナ・リンガード
第四部 開拓者の女の物語
第五部 クーザック家の男の子たち

付録 序(1918年版)
解説(訳者)
訳者あとがき

ウィラ・キャザー[ウィラキャザー]
20世紀前半のアメリカ文学を代表する作家のひとり。1873年、ヴァージニア州の農家に生まれる。1883年、10歳のときにネブラスカ州に移住。1890年、ネブラスカ大学入学、在学中から地元紙に劇評などを執筆。1895年の大学卒業後は、ピッツバーグで雑誌編集者、高等学校の教師をしながら創作活動を行う。その後、生活と作家活動の拠点をニューヨークへ移す。1923年、『我らの仲間』(One of Ours, 1922)でピュリツァー賞受賞。『マイ・アントニーア』(My Antonia, 1918, 佐藤宏子訳、みすず書房、2010)以外のおもな作品に、『おお開拓者たちよ』(O Pioneers!, 1913)、『雲雀の歌』(Song of the Lark, 1915)『迷える夫人』(A Lost Lady, 1923)『教授の家』(The Professor’s House, 1925)『巌の上の影』(Shadows on the Rock, 1931)『サファイラと奴隷娘』(Sapphira and the Slave Girl, 1940)他多数。1947年、ニューヨークで没する。

佐藤宏子[サトウヒロコ]
1934年岩手県に生まれる。東京女子大学文学部英米文学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。マウント・ホリョーク大学大学院修士課程修了。イェール大学大学院アメリカ研究科研究員。東京女子大学名誉教授。著書『キャザー』(冬樹社、1997年)『アメリカの家庭小説』(研究社、1987年)『アメリカン・ガールの形成』(暮しの手帖社、2002年)他。訳書 イーディス・ウォートン『無垢の時代』(荒地出版社、1995年)エレイン・ショウォールター『姉妹の選択』(みすず書房、1996年)『英語圏女性作家の描く家族のかたち』(ミネルヴァ書房、2006年、共訳)『ゴースト・ストーリー傑作選』(みすず書房、2009年、共訳)ウィラ・キャザー『マイ・アントニーア』(みすず書房、2010年)。

内容説明

舞台は19世紀後半のアメリカ中西部。ネブラスカの大平原でともに子供時代を過ごしたこの物語の語り手「ぼく」と、ボヘミアから移住してきた少女アントニーア。「ぼく」はやがて大学へ進学し、アントニーアは女ひとり、娘を育てながら農婦として大地に根差した生き方を選ぶ。開拓時代の暮しや西部の壮大な自然をいきいきと描きながら、「女らしさ」の枠組みを超えて自立した生き方を見出していくアントニーアの姿を活写し、今なお読む者に強い印象を残す。著者のウィラ・キャザーは20世紀前半の米文学を代表する作家のひとりであり、その作風は後進のフィッツジェラルドなどに影響を与えた。アメリカで国民的文学として長く読み継がれてきた名作を親しみやすい新訳で贈る。

著者等紹介

キャザー,ウィラ[キャザー,ウィラ] [Cather,Willa]
1873‐1947。20世紀前半のアメリカ文学を代表する作家のひとり。1873年、ヴァージニア州の農家に生まれる。1883年、10歳のときにネブラスカ州に移住。1890年、ネブラスカ大学入学、在学中から地元紙に劇評などを執筆。1895年の大学卒業後は、ピッツバーグで雑誌編集者、高等学校の教師をしながら創作活動を行う。その後、生活と作家活動の拠点をニューヨークへ移す。1923年、『我らの仲間』(One of Ours、1922)でピュリツァー賞受賞

佐藤宏子[サトウヒロコ]
東京女子大学文学部英米文学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。マウント・ホリョーク大学大学院修士課程修了。イェール大学大学院アメリカ研究科研究員。東京女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこさん

31
何が自分に相応しいことなのかはわからない。第五部、柔和で行き届いた描写で浮かび上がる田園風景と人々の気配をずっと親密に感じていたくて、特にアンブローシュと来年の夏の約束をするシーンを何度も読み返した。キャザーは「彼女は、ぼくたちが、本能的に普遍的で真実であると認める、太古からの人間の生き方に、力を与えているのだ」とジムに言わせているけれど、このあたたかいやるせなさを一体どんな言葉で言い表せるだろう。同時にその何かが、ジムとアントニーアの親密さを抑制している。今が幸福かどうか、思い返した時にしかわからない。2018/04/18

ソングライン

17
自らの夢のために生きていた青春の時、そして人は年を重ね懐かしさと寂しさを感じながらその幸福の時を思い出す。父母を失くし祖父母の住む中西部の街に向かう列車に乗る主人公ジム、そこで乗り合わせたボヘミアから来た新たな移民の娘アントニーア。小麦やトウモロコシ畑で過ごし、アントニーアが働きにでジムが高校に通ったブラックホークの街で過ごした青春、そして別れの時。婚約者に捨てられ田舎に戻り農場に暮らすアントニーアとの20年後の再会でジムが見た彼女の姿とは。青春の美しさとその後の人生の尊さを描く名作に感動です。2023/02/25

ツキノ

12
キャザーは20世紀前半の米文学を代表する作家で、この作品(1918年)が自他ともに認める代表作。石井桃子さんの好きな作家と言うことで名前だけ知っていた。ネブラスカ州の祖父母のもとで暮らすようになったジム少年が隣人で4歳年上のボヘミア人の娘アントニーアに出会う。アントニーアを軸に開拓時代の人々が描かれている。挿入されているエピソードがおもしろい。ジムとアントニーアの家族とも恋人ともちがう強い結びつき。のちに再会し「彼女は太古の種族の始祖のように、豊かな生命の泉なのだ」というジム。読み応えあり。2017/08/09

Hotspur

4
19世紀、中心となる舞台はアメリカのネブラスカ、「あるのは大地だけだった。国などではなく、国を造る素材があるだけだった」というフロンティア。ヨーロッパ大陸からの移民と植民地時代からの古い英国系住民との間の文化的な対立、融合、並置という「アメリカ」の根幹に関わる歴史的な背景が実に興味深い。移民の娘であるアントニーアを巡る語り手ジム・バーデンの回想の中で、変転する運命を辿る彼女だが、「彼女は太古の種族の始祖のように、豊かな生命の泉」として描かれ、忘れがたい印象を残す。2020/06/21

だけど松本

1
長く感じた2023/06/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11621073
  • ご注意事項

最近チェックした商品