トレブリンカの地獄―ワシーリー・グロスマン前期作品集

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トレブリンカの地獄―ワシーリー・グロスマン前期作品集

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  • サイズ B6判/ページ数 382p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622085850
  • NDC分類 988
  • Cコード C0097

出版社内容情報

20世紀ロシア文学の珠玉『人生と運命』の作家ワシーリー・グロスマン。第二次世界大戦の終結前後までに執筆、あるいは構想されたルポルタージュ・小説・戯曲を収載する。

グロスマンは市民として社会主義国家建設に参加し、そのために努力しながら、次第にスターリン体制批判に転じていった。
独ソ戦末期に赤軍記者としてナチの絶滅収容所を報じた『トレブリンカの地獄』。
著者の故郷ウクライナを舞台に、ホロコーストを描いた世界最初の作品となった傑作小説「老教師」。
男まさりの女性政治局員がユダヤ人集落で出産にいたる日々をユーモアたっぷりに描く「ベルディーチェフの町で」。
行きずりの情事を経験した兵士の二日間「女」。
革命の空洞化と官僚主義、同じことをくり返す人間の業を目の当たりにして、歴史は進歩するのか循環するのかと、登場人物が問う戯曲「ピタゴラスを信じるなら」。

戦時下という極限状況で、人はどのようにふるまったのか。自由や優しさや善良さとは何なのか。グロスマンの作品には、19世紀ロシア文学の歴史小説の伝統が引き継がれている。
『システィーナの聖母 ワシーリー・グロスマン後期作品集』(齋藤紘一訳)と全二巻。

内容説明

極限状況下で人々はどのようにふるまったのか。自由や優しさや善良さとは何なのか。第二次世界大戦の終結前後までに執筆あるいは構想されたルポルタージュ・小説・戯曲を収載する。独ソ戦末期に赤軍記者としてナチの絶滅収容所を報じた「トレブリンカの地獄」。母を虐殺された故郷ウクライナを舞台に、ホロコーストがテーマの世界最初の作品となった傑作小説「老教師」。男まさりの女性政治局員がユダヤ人集落で出産する日々をユーモラスに描いた出世作「ベルディーチェフの町で」。行きずりの情事を経験した兵士の二日間「女」。革命が空洞化し官僚主義がはびこるにつれ、過去と同じことを繰り返す人間の業を目にして、歴史は進歩するのか循環するのかと主人公が問う戯曲「ピタゴラスを信じるなら」。人はそれぞれが歴史を生きている。その希望や幻滅、想いを、死ぬまで表現しつづけた文学の軌跡は、『システィーナの聖母ワシーリー・グロスマン後期作品集』(齋藤紘一訳)へとつながっていく。グロスマンは社会主義国家建設に参加し、そのために努力しながら、やがて次第にスターリン体制批判へと転じていった。

目次

1 ルポルタージュ(ユダヤ人のいないウクライナ;トレブリンカの地獄)
2 短篇小説(ベルディーチェフの町で;女;若い女と老いた女;チェーホフの眼で;生;老教師)
3 戯曲(ピタゴラス派を信じるなら)

著者等紹介

グロスマン,ワシーリー[グロスマン,ワシーリー] [Гроссман,Василий]
1905‐1964。ウクライナ・ベルディーチェフのユダヤ人家庭に生まれる。モスクワ大学で化学を専攻。炭鉱で化学技師として働いたのち、小説を発表。独ソ戦中は従軍記者として前線から兵士に肉薄した記事を書いて全土に名を馳せる。43年、生まれ故郷の町で起きた独軍占領下のユダヤ人大虐殺により母を失う。44年、トレブリンカ絶滅収容所を取材、ホロコーストの実態を報道する。次第にナチズムとソ連の全体主義体制が本質において大差ないとの認識に達し、50年代後半から大作『人生と運命』を執筆、60年に完成

赤尾光春[アカオミツハル]
1972年神奈川県生まれ。大阪外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業。同大学大学院修士課程修了、エルサレム・ヘブライ大学留学をへて、総合研究大学院大学博士後期課程文化科学研究科・地域文化学専攻修了、博士号取得。北海道大学スラブ研究センター学術研究員、大阪大学文学研究科助教等歴任後、現在、大阪大学、関西学院大学非常勤講師。専門は近代ユダヤ文学・ユダヤ文化

中村唯史[ナカムラタダシ]
1965年北海道生まれ。東京大学大学院人文科学研究科露語露文学専攻博士課程退学、90‐92年モスクワ大学留学。93年より山形大学教養部講師、同人文学部准教授、教授をへて、2015年より京都大学大学院文学研究科教授。専門はロシア文学・ソ連文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

83
ソ連に希望を託し、ユダヤ人に寄り添い、故に後のスターリン政権批判へと転じたジャーナリスト・文学者のワシーリー・グロスマンの戦中作品。表題作は『サウルの息子』を思い出し、苦しくて辛くて仕方ない。小動物を銃で撃つのも嫌がる文学青年が軍国システムによって国家には忠実な軍人、敵国には冷酷な処刑人に変貌する「チェーホフの眼」やウクライナでのホロコーストへの憤りとドイツ軍への憎悪が満ちた「老教師」は当時は愛国心を鼓舞するプロパガンダ的作品とも言えるだろう。しかし、今になれば、ペンの力で戦争に加担した作者の苦悩も伝わる2017/08/29

syaori

51
東欧のユダヤ人絶滅を目的に建てられたトレブリンカ収容所についてのルポ『トレブリンカの地獄』のおぞましさには、もう戦慄するばかり。踏みにじられる命とそれに興じる人々。目を背けたくなるような惨状を、それを知ることは「義務」なのだと言う作者の言葉を噛みしめながら読みました。すべては流転するという『ピタゴラス派を信じるなら』、また地上にこの地獄が現われるかもしれないのだから。でも、願わくばその時には繰り返される歴史を少しでも善いほうに進めることができますように。前より少しでも賢明な判断を下すことができますように。2018/07/02

キムチ

40
**** 無知を罪と思わしめる秀作 まだまだ世界を模索させる意欲を掻き立てられ慟哭2024/08/22

ヘラジカ

34
ルポルタージュと短編数作、それに中編程度の戯曲が収録された作品集。ここから魂の大作『人生と運命』に繋がると思うと感慨深い。本当は『システィーナの聖母』を読んでからと考えていたが、時系列を考慮してこちらを先に読むことにした。戦時下で書かれた前期作品集ということで少しばかりあからさまに感じられる描写はあるものの、それはそれでグロスマンの軌跡として興味深いものがある。表題作のルポはもちろんだが、世界で初めてホロコーストを扱った作品「老教師」は一読の価値あり。グロスマンの凄さを再認識させる一冊。(2017・45)2017/07/05

miyu

33
みすず刊行のグロスマン作品集最後を飾るのは彼の初期の短篇や戯曲、ルポルタージュだ。一読してすぐに伝わるほどのストレートで熱のこもる若さを象徴するような瑞々しさが見え隠れする短篇が集まった。「トレブリンカの地獄」「老教師」あたりがよく知られる作品だが、私は短篇「若い女と老いた女」「しばらくの悲しい日々」最後の戯曲「ピタゴラス派を信じるなら」が好きだ。けして絶対平和主義者ではなかったであろう彼が戦争というやりきれない状況を淡々と(しかし心の中では憤りに燃えながら)語りかける作品が揃い、とても読み応えがあった。2017/11/10

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