出版社内容情報
歩くこと、孤独、自然…。遺された膨大な日記や断片的なテクストから、謎の多い思想家のエッセンスをそっと手渡す。〈私は、けたたましい声で笑うアビやウォールデン湖そのものとおなじように、少しもさびしくはない。ほう、あんな孤独な湖にどんな仲間がいるのかね? ところが、あの群青の湖水のなかには、青い陰気な悪魔ではなくて、青い衣の天使が住んでいるのだ。太陽だってひとりである。〉(『ウォールデン』)
アメリカでもっとも著名で独創的な思想家、ヘンリー・ソロー。ウォールデン湖畔に自ら建てた小屋で自給自足し、森を毎日何時間も歩く、たった独りの生活を送った。奴隷制に反対し、2冊の本を刊行し、44歳で生涯を終えた。森で結実したその思索は、現代社会の危機とそこに生きる人間のありかたを示唆し、世界に大きな影響を与えた。
謎に満ちたこの思想家の学舎に、私たちは招かれている。歩くこと、孤独、自然、市民、共同体…『コンコード川とメリマック川の一週間』『ウォールデン』『散策』『メインの森』『ケープコッド』『社会改革論集』そして膨大な日記に誘われ、本書はその思索のエッセンスを発見する。急激な産業化と社会の激動の中で、真に自由な生き方を考え続けたソローのすべてをそっと手渡す一書。
序
I まっ白なノート
II 定住する旅人
III 意志あるものとしての野生
IV より高次の法
V 死者たちの岸辺
VI 翼ある思想
VII 書かれない書物
VIII 音楽と沈黙
IX 孤独であることの華やぎ
X たったひとりの共同体
XI 思索の矢尻とともに
XII 霧の子供たちのなかへ
後記
書誌
今福龍太[イマフクリュウタ]
1955年生まれ。文化人類学者・批評家。東京外国語大学教授。1980年代初頭よりメキシコ、キューバ、ブラジル、アメリカ南西部に滞在し調査研究に従事。サンパウロ大学、サンパウロ・カトリック大学などで客員教授を歴任。2002年より奄美群島において巡礼型の野外学舎「奄美自由大学」を主宰。
内容説明
歩くこと、孤独、自然…急激な産業化の中で森を遊歩し、真に自由な生き方を考え抜いたソロー。膨大なテクストを読み解き、その思索のエッセンスを手渡す初めての書物。
目次
まっ白なノート
定住する旅人
意志あるものとしての野生
より高次の法
死者たちの岸辺
翼ある思想
書かれない書物
音楽と沈黙
孤独であることの華やぎ
たったひとりの共同体
思索の矢尻とともに
霧の子供たちのなかへ
著者等紹介
今福龍太[イマフクリュウタ]
1955年生まれ。文化人類学者・批評家。東京外国語大学教授。1980年代初頭よりメキシコ、キューバ、ブラジル、アメリカ南西部に滞在し調査研究に従事。サンパウロ大学、サンパウロ・カトリック大学などで客員教授を歴任。2002年より奄美群島において巡礼型の野外学舎「奄美自由大学」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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