出版社内容情報
ポスト・ロールズ時代のカント哲学は、「正義」に何をもたらすのか。英国を代表するカント主義哲学者オノラ・オニールの思想の全貌。
「私は本書で、国境はもはや正当な正義の境界として見なしえないと論じる。それ自体が制度である国境を前提とした正義は、多くの場合疑われるべきものである」。ポスト・ロールズ時代のカント主義哲学は、われわれの「正義」に何をもたらすのか。そして、ロールズのなしえなかった義務論にもとづくグローバルな正義の構想とは――。ロールズの弟子にして、イギリスを代表するカント主義哲学者オノラ・オニールの、正義をめぐる思想の全貌。
緒言
序論
第一部 哲学的な正義の境界
第一章 実践的推論の四つのモデル
第二章 行為者性と自律
第三章 原理、実践的判断力、制度
第四章 カントの正義とカント的な正義
第五章 あなたが拒否できない申し入れはどちらか
第六章 女性の権利――誰の責務か
第二部 政治的な正義の境界
第七章 トランスナショナルな経済的正義
第八章 正義、ジェンダー、インターナショナルな境界
第九章 アイデンティティ、境界、国家
第十章 遠くの見知らぬ人、道徳的地位、透過的な境界
訳者あとがき
原注
参考文献
索引
内容説明
“国境を越える正義”に包摂されるのは誰で、排除されるのは誰なのか?グローバリゼーションに伴い、曖昧になってゆくわれわれの権利と責務。正義の「哲学的な境界」と「政治的な境界」とは。
目次
第1部 哲学的な正義の境界(実践的推論の四つのモデル;行為者性と自律;原理、実践的判断力、制度;カントの正義とカント主義の正義;あなたが拒否できない申し出はどちらか?;女性の権利―誰の責務か?)
第2部 政治的な正義の境界(トランスナショナルな経済的正義;正義、ジェンダー、インターナショナルな境界;アイデンティティ、境界、国家;遠くの見知らぬ人、道徳的地位、透過的な境界)
著者等紹介
オニール,オノラ[オニール,オノラ] [O’Neill,Onora]
1941‐。ケンブリッジ大学名誉教授。英国貴族院議員。オックスフォード大学で哲学と心理学を学んだのち、ハーヴァード大学でジョン・ロールズの指導のもと博士号を取得
神島裕子[カミシマユウコ]
1971年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士後期課程修了。現在、中央大学商学部准教授。専門は政治哲学・倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- 母樹