ある作家の日記 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 528,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622079316
  • NDC分類 935
  • Cコード C0098

内容説明

いま読んでいる本、創作過程の実際、本の評判や売上げ、エリオットやフォースターとの交友など、1918年36歳の年から1941年自殺する直前までの日記。死後夫レナードによって文学活動を中心に編纂された。創造の苦しみと楽しみを生き生きと伝える。

著者等紹介

ウルフ,ヴァージニア[ウルフ,ヴァージニア] [Woolf,Virginia]
1882年、著名な文芸批評家レズリー・ステーヴンを父親として、ロンドンに生れる。父親の教育と知的な環境(ブルームズベリ・グループ)の中で、早くから文芸への情熱をはぐくむ。1915年、最初の長篇小説『船出』を出版し、小説世界を十全に開花させた傑作『ダロウェイ夫人』『燈台へ』『波』が生れる。プルースト、ジョイスらによって示された「意識の流れ」を、独自の立場から追求。『幕問』をのこして、1941年神経衰弱のため自殺

神谷美恵子[カミヤミエコ]
1914年岡山に生まれる。1935年津田英学塾卒、コロンビア大学に留学。1944年東京女子医専卒、同年東京大学医学部精神科入局。1952年大阪大学医学部神経科入局。1957‐72年長島愛生園勤務。1960‐64年神戸女学院大学教授。1963‐76年津田塾大学教授。医学博士。1979年10月22日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

128
ワクワクした。彼女自身が非常に読書家であって、いわば彼女自身の読書日記の一面もあるから。編集者である夫は、彼女の死後に世に出せる部分だけを選んでいるが、本来日記は世間に出すものでは無いので、彼女の忌憚のない感想を読める。フォスターやローレンスは語れるほど私は読み込んでいないが、デフォーについてウルフが抱く高揚感を共有できて幸せだ。ロンドンの街を歩いて200年前にそこにいたデフォーの登場人物達を想像するウルフに、自分を重ねた。彼女自身の創作については、純粋に読者でいたいので、サラっと読むにとどめた。2020/07/12

yumiha

39
読了に何日もかかった。ヴァージニア・ウルフは、どんなことを大事にし、留意し、どう意図しながら、小説・評論・伝記などを書いたのか知りたかったからである。ウルフにとって、書くこと=考えること、だと思った。そのせいかかなりひんぱんに頭痛に悩まされている。そこから回復できないと持病の精神疾患に襲われたのかもしれない。そういう事態に陥った時は、たぶん日記も書けない状態だったせいか、その具体的な様子はわからないが。そして、作品が仕上がっても、手放しで喜べない。書評家たちの評価に一喜一憂してしまうのだ。これはしんどい。2020/02/16

やいっち

10
夫君であるレナード・ウルフが膨大な原日記から、(一)文章を書く練習の場として日記を用いている箇所、(二)必ずしも作品に関係なくとも、ウルフの文学にとってナマの素材となったと考えられる情景や人物を描いているくだり、(三)読んでいる本についての感想、の三点に絞って編集したものだとか。なので、訳者によるあとがきによると、日常生活の些事や多くの対人関係などが省かれている。ヴァージニア自身は連れ子であり、義兄に幼いころから長年にわたって性的な虐待を受けていたことは、日記の中には何ら(示唆すらも?)書かれていない。 2016/05/27

Y.Yokota

7
ウルフが20年以上つけていた日記を、死後に夫レナードが編集、出版したもの。『ダロウェイ夫人』、『灯台へ』、『波』などの創作、同時代の作家や読んだ本、自作への評価など、喜んだり落ち込んだりだが割と生き生きと書いている。これを読むとなんとバイタリティ溢れる作家だろうと思うけれどもこれは調子の良い時で、調子の悪い時は日記も書けなかったという(そういった時期のことはレナード自伝に詳しいらしい)。最後まで死の様子は伺えない。しかし創作過程や着想など、とても興味深く読みました。これは抜粋で、他に日記集あり(未訳)。2022/06/17

バーベナ

6
36歳から自殺直前までの日記。創作にかかわると思われる部分をメインに、夫:レナードが丁寧に抜き出している。自書の売り上げと批評を、そんなにまで?!というほど気にしている。ちなみに『ダロウェイ夫人』の最初のタイトルは『時間』だったそう。2015/10/21

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