出版社内容情報
0年間、強制収容所の囚人だった男がスターリンの死後に出所したのちの物語。『人生と運命』の作家、渾身の遺作。解説・亀山郁夫
30年間、強制収容所の囚人だった男がスターリンの死後に出所したのちの物語。才気煥発の青年は、老人として一般社会に戻った。彼を密告した男も、真実を求めて闘った従弟も、体制内で出世していた─。『人生と運命』の作家、渾身の遺作。渦中を生きた者だけが書きうる時代の証言である。解説・亀山郁夫。
内容説明
1953年、スターリンが死んだ。神のような指導者の突然の死が、国土を震撼させる。ラーゲリ(強制労働収容所)からは何百万もの人びとがぞくぞく出所してきた。主人公イワン・グリゴーリエヴィチは自由を擁護する発言を密告され、29年間、囚人であった。かつて家族の希望の星だった育年は、老人となって社会に戻った。地方都市でささやかな職を得たイワンは、白髪が目立つが美しい女性アンナと愛しあうようになる。彼女には、ウクライナで農民から穀物を収奪し飢饉に追い込んだ30年代の党の政策に、活動家として従事した過去があった。生涯で一番大事なことを語りあうふたり。しかし…。作家グロスマンが死の床でも手離さなかった渾身の遺作。
著者等紹介
グロスマン,ワシーリー[グロスマン,ワシーリー] [Гроссман,Василий]
1905‐1964。ウクライナ・ベルディーチェフのユダヤ人家庭に生まれる。モスクワ大学で化学を専攻。炭鉱で化学技師として働いたのち、小説を発表。独ソ戦中は従軍記者として前線から兵士に肉薄した記事を書いて全土に名を馳せる。43年、生まれ故郷の町で起きた独軍占領下のユダヤ人大虐殺により母を失う。44年、トレブリンカ絶滅収容所を取材、ホロコーストの実態を世界で最初に報道する。次第にナチとソ連の全体主義体制が本質において大差ないとの認識に達し、50年代後半から大作『人生と運命』を執筆、60年に完成。「雪どけ」期に刊行をめざすが、KGBの家宅捜索を受けて原稿は没収(友人が秘匿していた原稿の写しがマイクロフィルムに収めて持ち出され、80年スイスで出版。ソ連国内で88年、邦訳は2012年みすず書房より刊行)
齋藤紘一[サイトウコウイチ]
1943年群馬県生まれ。東京大学理学部化学科卒。在学中に米川哲夫氏にロシア語を学ぶ。通産省入省後、課長・審議官を務める。93年退官後、ISO(国際標準化機構)日本代表委員、独立行政法人理事長をへて現在、翻訳家。99年、通訳案内業免許(ロシア語)取得。『人生と運命』(全三巻、みすず書房)の翻訳で日本翻訳文化賞(2012年度)を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイトKATE
miyu
Miyoshi Hirotaka
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
春ドーナツ
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- 和書
- 街の先生、はしる!